[チューリヒ 18日 ロイター] - スイスで18日、世界一高い最低賃金導入の是非を問う国民投票が行われたが、約76%が反対し、否決された。この案は同国で拡大しつつある所得格差の是正に向け、最低賃金を時給22スイスフラン(約2500円)にするというもので、スイス労働組合(SGB)が提案していた。月給にすると4000フラン(約45万5000円)に相当する。
同案について、企業の競争力が損なわれ、スイスの雇用情勢悪化につながるとして反対していた財界首脳らにとって今回の結果は朗報となった。
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シュナイダーアマン経済相は、記者会見で「この案が受け入れられていたら間違いなく人員削減につながっていただろう。特に遠隔地や構造的に弱い地域ではそうだ」と語った。
ただ、SGBの首席エコノミスト、ダニエル・ランパート氏によると、同案をめぐる議論によって多くの企業が最低賃金を月4000フラン超に引き上げているという。
ディスカウントスーパーマーケットのリドルは昨年、最低給与を4000フランに引き上げた。スウェーデンのファッション小売り大手へネス・アンド・マウリッツ(H&M)も来年、同様の措置を取る方針。
ただ、企業側はこうした動きについて、最低賃金導入案との直接的な関係は認めていない。
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