カナダのオンタリオ州にあるマックマスター大学の研究者らが少数の被験者を対象に行った研究によると、運動は肌を若く保つだけでなく、肌を若返らせる可能性もあり、さらには年を取ってから運動を始めた人にも効果があるかもしれないという。「The New York Times」が伝えた。
マックマスター大学が行った以前の研究では、運動の効果をマウスで調べている。研究者はマウスを2つのグループに分け、一方のグループでは運動用の回し車を使えるようにし、もう一方のグループは「運動不足」にした。
運動しなかったマウスはすぐに弱り、毛が抜けて病気になったが、定期的に運動していたマウスは、脳、心臓、筋肉、生殖器を健康な状態に保つことができた。さらにこれらのマウスは、運動しなかったマウスと比べて、早く毛が抜けることもなく、白髪にもならなかった。
運動は人にも同じ効果をもたらすのではないかと考えた研究者たちは、今回、20~84歳の男女29人のボランティアを対象に2つ目のテストを実施した。結果は、4月に開催された「The American Medical Society for Sports Medicine」(アメリカスポーツ医学会)の学会で発表された。
被験者の約半数は活動的な人々で、少なくとも毎週3時間の適度な運動または激しい運動を行っていたが、残りの被験者はほとんど座りっぱなしで、週に1時間も運動をしていなかった。
研究者らはまず、ボランティア一人ひとりの臀部から皮膚サンプルを採取した。太陽にほとんどさらされない皮膚を調べたかったからだ。これら臀部の皮膚サンプルを観察した結果、よく運動していた40歳以上の被験者の皮膚は、たとえその人が65歳以上だったとしても、明らかに年齢より若く見え、20代や30代の皮膚に近かったという。
研究者らはその後、さらに運動の効果を明らかにするため、座って過ごすことの多い65歳以上の被験者に、3カ月にわたって毎週運動をしてもらった(運動の強度は、最大酸素摂取量の65%以上という中程度のもので、これを1回30分間、週に2回行った)。3カ月後、ボランティアたちの皮膚を顕微鏡で調べ、「運動を始める前」の皮膚と比較した。
ただし研究者らは、今回の研究は非常に小規模なものであり、さらなる研究が必要だと認めている。
さらに、2週間運動するだけでも、目に見えて効果が現れる可能性があることが、複数の調査で明らかになっている。
[Shelley Emling(English) 日本語版:湯本牧子/ガリレオ]
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