大阪府教育委員会は5月16日、進学校など一部の府立高校の英語の入試問題について、設問すべてを英語にしたり、リスニングの配点割合を増やしたりする改革案の議論を開始した。2017年度入試での導入を目指すという。MSN産経ニュースなどが報じた。
受験生に英語力の習得への意識を高めてもらうほか、中学や塾などで指導方法の改善を促すのが狙い。
対象は国際文化科やグローバル科の設置校や進学指導特色校など、少なくとも17校。リスニングの配点割合を現在の5分の1程度から3分の1程度に高め、英文の語数も増やす。さらに英文読解は論理的思考力を要する問題に変更する。
(MSN産経ニュース「入試の英語は設問も英語で? 大阪府教委が検討 府立高の国際関係学科」より 2014/05/16 11:56)
府教委は、世界の学生と英語で渡り合えるような英語力の育成を目指すとして、2013年5月に「英語教育改革プロジェクトチーム」を設置した。このプロジェクトチームは、小学校1年生から高校卒業までの英語の指導法や、入試のあり方の見直しを検討。2017年度の高校入試からは、TOEFL(トーフル)や英語検定試験などを府教委が独自の基準で換算し、入試の英語の得点と比べて高い方を採用するという、外部検定の活用も決定している。
府教委教育長の中原徹氏は2011年、文部科学省からのヒアリングの席で中国・上海の事例を紹介し、「トップダウンで英語教育を動かした結果、日本から見るととんでもないレベルに到達してしまっている」として、大阪でも高い英語力の育成を目指す意気込みを語っていた。
上海の平均的な学力の中学校(日本の高校にあたります)に行ってきましたが、オールイングリッシュで英語をやって、中国の先生が、完璧な発音ではないですけれども、よどみのない英語をしゃべり、その先生の英語の冗談を理解し、私が行ったときには、火星に165年以内に人類は移住できるはずだ、B4用紙1枚ぐらいにびっちりそう書かれた英語の論文を、高校生が読める程度の論文ですけれども、それをぱっとその時間内に渡して、5分で読めと。それをグループになって何段階のステップを踏めば火星に行けるかどうか。この筆者は何と言っているかまとめろ。そして君らの意見を述べろということを英語でしなさいという授業を中程度の習熟度の学校がやっていました。
(文部科学省「中原徹氏(大阪府立和泉高等学校長)意見発表」より 2011/08/03)
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