人気テレビアニメ「ドラえもん」が、2014年夏からアメリカで放送される。アメリカ向けの版権をもつテレビ朝日が、ディズニーと合意した。
アメリカでの放送では、のび太は「ノビー(Noby)」、どこでもドアは「エニーウェアドア(Anywhere Door)」など、キャラクターの呼び名や、ドラえもんが四次元ポケットから取り出す「ひみつ道具」の名前も、アメリカ風に変更されるという。47NEWSが報じた。
米国向けの販売権を持つテレビ朝日によると、チャンネル「ディズニーXD」で26話を放送。英語版の制作は、テレ朝や藤子・F・不二雄プロなどが米国のスタジオに委託する。現地の文化や習慣に合わせて、ドラえもんが出す道具や登場人物の呼称、ストーリーの一部を変える。
(『ドラえもん、今夏から全米放送へ 英語版は初、のび太は「ノビー」』より 2014/05/09 11:49)
ドラえもんは2013年、電子書籍としてアメリカで翻訳版が出されている。翻訳を担当したマット・アルトさんと依田寛子さんは、単に日本語版を翻訳するだけでなく、アメリカに合わせてローカライズを行った。作業にあたっては、キャラクター名の変更についても創意工夫が必要だったという。
「のび太」は英語だと女性っぽくなってしまう。それで「ノビー」に変更しました。また、スネ夫は、かたつむりを意味する「スネイル(snail)」に音がとても似ている。だから「スニーチ」にしました。よりスネオっぽくなったでしょ。
そして、ジャイアン。「ジャイアント(Giant)」という言葉には、ぼんやりした、とか、遅いという意味を持ちます。だから「ビッグG」でいくことにしました。
(THE JAPAN TIMES「Doraemon, the robot cat, gets your tongue」より 2014/05/01)
漫画では、キャラクターだけでなく「ひみつ道具」の名前も、英語の語感とダジャレが、うまく組み合わせて訳されている。タケコプターも「ホプター(hopter)」とされているが、軽く跳び越えるという意味の「hop」という単語を使い、場所から場所へ人々を連れて行くというニュアンスを出した。依田さんは、ひみつ道具リストをエクセルで作成して管理したところ、最終的には1500のアイテムがリストアップされたという。
ウォール・ストリート・ジャーナルなどによると、テレビでのキャラクターの呼び名やひみつ道具の名前の変更は、次のようになるという。
アメリカ版ドラえもん キャラクター名
・のび太(野比のび太):ノビー(Noby)
・ジャイアン(剛田武):ビッグG(Big G)
・スネ夫(骨川スネ夫):スニーチ(Sneech)
アメリカ版ドラえもん ひみつ道具などの名前
・どこでもドア:エニウェアドア(Anywhere Door)
・タケコプター:ホプター(hopter)
・どら焼き:ヤミーバンズ(yummy buns)
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