ウクライナ東部ルガンスク州の州都ルガンスクで29日、数百人の親ロシア派が州政府庁舎を急襲した。州警察本部にも発砲したが、警察は何ら対抗措置を取らなかった。欧米による対ロ追加制裁にもかかわらず、ウクライナ情勢をめぐる緊張の度合いが高まった格好だ。
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ルガンスク州はロシア国境と接している。親ロ派はまた、地元の検察庁やテレビ局も占拠した。
親ロ派には、こん棒や鎖を持った若者や、所属を示す記章のない軍服を着た重武装の覆面男らが含まれている。
ウクライナ東部をめぐっては、ルガンスクと隣接するドネツク州も親ロ派が大半を勢力下におさめている。
アバコフ内相の側近、Stanislav Rechynsky氏はルガンスク州の情勢について、「地方の指導者が警察を統率していない」と指摘。「地元警察は何もしなかった」と批判した。
一方、ロシアのプーチン大統領は29日、欧米による追加制裁措置を受け、ロシアのエネルギー取引における欧米企業の役割を見直すと表明した。
大統領はベラルーシとカザフスタンの指導者らとの会談後、記者団に対し「われわれは何らかの対抗措置に訴えないで済むことを強く望む」と指摘。「だが、そういったこと(欧米の制裁)が続けば、われわれはもちろん、エネルギー分野を含めたロシア経済の主要分野で誰がどのように参入しているのか考えなくてはならなくなる」と述べた。
ロシアのRTS株価指数
[ルガンスク(ウクライナ) 29日 ロイター]
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