地球には驚くほど多様な風景がある。このすばらしい星に住むわれわれが、どんなに限定された地域だけしか目にしていないかを思い出させてくれる風景たちの写真をご紹介しよう。
ジャイアンツ・コーズウェー(北アイルランド)
「ジャイアンツ・コーズウェー」(巨人の石道)の奇妙な風景は、5000~6000万年前頃に、火山活動によって形成されたものだ。玄武岩の柱が、柱状節理(高温の溶岩が冷える過程で、六角形の割れ目が生じるもの)を構成している。ユネスコの世界遺産に登録されている。
スヴァルティフォス(アイスランド)
同じような玄武岩の岩列は、アイスランドにある荘厳な滝「スヴァルティフォス」(黒い滝の意味)を擁するこの地でも見ることができる。
フィンガルの洞窟(スコットランド)
サハラ砂漠(リビア)
砂の模様が絶えず移り変わるサハラ砂漠は、約940万平方キロメートルの面積を持つ世界最大の砂漠だ。その様子は、どこか人間のからだや表情に似ていなくもない。
砂丘(ナミビア)
ナミブ砂漠の巨大な砂丘が光を遮り、斜面の片側だけが明るくなっている。あまり変化のない砂丘の風景に、鮮やかなコントラストが浮かび上っている。
骸骨海岸(ナミビア)
アフリカ大陸の西岸にあるナミブ砂漠では、砂漠と砂丘が大西洋のすぐ側まで迫っている。海岸には、沖合で濃霧のため難破した船舶や鯨などが打ち上げられ、「スケルトンコースト」(骸骨海岸)と呼ばれている。
グランド・プリズマティック・スプリング(アメリカ、ワイオミング州)
グランド・プリズマティック・スプリングは、イエローストーン国立公園にある、アメリカ最大の熱水泉だ。
泉の大きさはおよそ80×90メートル、深さは50メートル。1分間に70℃の熱水が2,100リットル湧き出している。ミネラル豊富な自然の温水プールには、微生物がバイオフィルムを形成し、これが水温に応じて色を変化させている(水域中央は高温のため無菌状態)。
アブラハム湖(カナダ・アルバータ州)
湖面のすぐ下に見えるのは、凍結した気泡だ。
氷の洞窟(アメリカ・ワシントン州)
氷が溶けたり凍ったりを繰り返すことで、この洞窟の天井に、未知の世界のような模様を作り出している。
バイカル湖(ロシア)
多数の分厚い割れ目が湖面に見られるバイカル湖。貯水量は世界最大で、世界中の淡水の17~20%がここにあるとされる。淡水湖で比較した場合、面積は世界最大のスペリオル湖には及ばないものの、最大水深は1634~1741メートルと、世界で最も深い。
ウェーブ(アメリカ・アリゾナ州)
コロラド高原のヴァーミリオン・クリフス国定公園にある、独特の形状の砂岩「ウェーブ」(The Wave)は、数百万年にわたって水による侵食を受けて作られたもので、今も風による侵食を受けている。
ブライスキャニオン国立公園(アメリカ・ユタ州)
ブライスキャニオンは、先の尖った赤い岩の数々が、眼を見張るような自然の円形劇場を形成している。さまざまな表情を持つこの地形は、堆積層の風化と侵食によって形成されたものだ。
キャニオンランズ国立公園(アメリカ・ユタ州)
キャニオンランズ国立公園の迫力ある風景に刻まれたさまざまなすばらしい表情は、数百万年に及ぶ侵食によって生まれたものだ。
チョコレートヒル(フィリピン)
フィリピンのボホール島には、芝で覆われた石灰岩の丘が1700個以上点在している。これらドーム型の丘の高さはさまざまで、低いものは約30m、高いものは約50mある。
ピナクルズ(オーストラリア)
不気味な形の石灰岩群「ピナクルズ」は、西オーストラリア州の主要な観光地だ。この石灰岩が、かつてこの地が大海原の底だったときに生息していた海洋生物の残骸からできたものだという点で、科学者らの見解は一致している。ただし、この独特の尖塔がなぜこれほど高く地面から突き出しているかについては、意見が分かれている。
張家界(中国)
ヌブラ渓谷(インド)
チベット高原に位置するこの砂漠の高台には、地球上で見ることのできる最もすばらしい傾斜のいくつかが存在する。
ツィンギ・デ・ベマラ(マダガスカル)
マダガスカル島にあるツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区には、侵食によって形成された驚くべき石の森林がある。ここに生息する野生生物は、その大半が世界のどこにも存在していない。
モノ湖(カリフォルニア州)
モノ湖は、カリフォルニア州にある浅い湖だ。水の流れ込む入り口や流出口はない。堆積物の分析から、モノ湖はネバダ州とユタ州の大部分を占めていた、大きく古い湖の名残であり、北アメリカで最も古い湖のひとつだとされている。
周囲の地層を構成する鉱石が侵食されながら、塩分を含む表面流水が流れ込んでおり、塩分濃度とアルカリ性が高い。ロサンゼルス市は、1941年から1990年までモノ湖を水源として利用していた。そのために水の大半が失われ、写真のように、今やこの湖の象徴となった「トゥファタワー」と呼ばれる石灰石の柱が露出している。
ニーラゴンゴ火山(コンゴ民主共和国)
ニーラゴンゴ火山は活動の活発な火山で、1982年以降少なくとも34回の噴火が記録されている。現在知られている世界最大の溶岩湖もここにある。
溶岩流(ハワイ州)
溶岩がキラウエア火山から海に向かって流れ出している。
火山(アイスランド)
火山からの流出物が、山肌を伝って海に流れ込んでいる。
二王洞(中国)
中国の中部にある二王洞は、内部に気象環境が形成されるほど巨大な洞窟で、地中なのに雲や雨が発生することがある(現在知られている部分の全長は42キロメートル以上、深さは441メートル)。
デスヴァレー(カリフォルニア州)
デスヴァレーは、カリフォルニア州にある乾燥した盆地で、もともとは塩湖だった。世界最高の気温56.7°Cを記録したこともある。
ウユニ塩原(ボリビア)
ウユニ塩原は、世界最大の塩の大地だ。高低差がほとんどないため、はるか遠くまで見渡すことができ、絶好のシャッターチャンスを見つけることができる。この写真は、雨によって冠水して、「天空の鏡」と言われる状態になったときだ。
ウユニ塩原(続き)
ただし、写真家がいつも人間を被写体に選ぶとは限らない。
ダロル火山(エチオピア)
この山は、海面下約46mにある、世界で最も低い地上火山だ。地質活動によって酸が発生し、一帯をさまざまな極彩色に染めている。
ダロル火山の堆積物のクローズアップ
約50年前、同じ名前を持つ鉱山集落が、この過酷な土地からわずか数kmの場所にあった。この集落は1960年代に放棄されたが、今でも「地球上で人が住み続けた最も暑い土地」の記録を持っている。
サハラの目(モーリタニア)
「サハラの目」とも呼ばれるこの奇妙な地形はリシャット構造体と呼ばれる(直径は約50kmに及び、宇宙空間からでないと、その全容は掴めない。写真は宇宙から見たところ)。
かつては隕石の衝突によるクレーターと考えられていたが、特有の鉱物が存在しないことなどから、この説は今では否定されている。1億年ほど前にドーム状の隆起運動で環状の山が形成され、それが風化や浸食によって現在のかたちになったのではないかと、地質学者らは考えている。
[Nick Wing(English) 日本語版:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ]
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