Ubisoft社が5月27日に発売するゲーム「Watch Dogs」は、近未来のシカゴを舞台にしている。公式サイトによれば、「あらゆるものがネットワークでつながれた現代社会で最強の武器」である情報を操り、スマホで各種システムをハッキングしつつ、都市を手中に収めるゲームだ。
アメリカでは、このゲームの広告キャンペーンとして、「Digital Shadow(デジタル・シャドウ)」というキャンペーンが行われている。これは、フェイスブックのユーザーたちが、自分のプライバシー設定が適切かどうかを思わずチェックしたくなる内容になっている。
このキャンペーンでは、個々のユーザーが「暗殺者のターゲット」に見立てられる。そして、システムがフェイスブックのアカウントにアクセス許可を要求して個人情報を引き出し、詳細な人物調査書を作り上げるのだ。
Digital Shadowは、まずユーザーに自分が「公開」に指定した写真を見せ、次にその友達を調べあげていく。フェイスブックの「友達」のうち誰と、どんな形でよく交流しているか、まったく交流がないのは誰か、そしてこちらが一方的に付きまとっている友達は誰か(ギクッ!)、などがユーザーに示される(元カレや元カノを定期的にチェックしてきた人は、このセクションをスルーした方がいいだろう)。
Digital Shadowの分析はそれだけにはとどまらない。ユーザーがフェイスブックで主に活動する時間帯や、この世界のどこへ行けば見つかる可能性が高いかも教えてくれる。
さらには、ユーザーの活動状況に基づいて、人格プロフィールのようなものまで作成される。筆者の場合は、「敵意をもち、明確な敵になりうる人物」に分類された。
また、教育レベルと仕事上の肩書から推定される給与額や、アカウントを乗っ取るために使えるかもしれないパスワード候補の一覧も示される。
友達リストと関心のある領域に基づいて推定された、パスワードの候補(全く当たっていないぞ!)
ただし、この広告キャンペーンが効果的なのは、ユーザーのプライバシー設定がユルい場合に限られる。たとえば筆者は、自分のプロフィールを自分でモニターしたいという理由で、プライバシー設定項目の多くをオンにしていない。結果としてDigital Shadowのプロフィールは、筆者に関する個人情報が満載されたものになった。
しかし、Yahoo!のロブ・ウォーカー氏のように、もっと厳しいプライバシー設定にしていれば、プロフィールも薄っぺらいものにしかならない。
このキャンペーンが、「誰であれ、その人生に入り込める」ゲームの宣伝方法として気が効いていることは確かだ。フェイスブックに個人情報を掲載している者なら誰でも、Digital Shadowのようなツールには興味をそそられるだろう。またこれは、ユーザーがオンラインでのプライバシー設定をもう少し真剣に考える良いきっかけにもなるだろう。
ゾッとするほど詳しい自分自身の分析結果を見たければ、Digital Shadowのサイトへ行ってみよう。そして、その後ただちに自分のプライバシー設定を見直そう。
Watch DogsはPC、Wii U、XBox One、Xbox 360、Playstation 3、Playstation 4に対応。米国では5月27日に発売される(日本発売は、XBox OneとWii Uを除いて6月26日)。
[Taylor Casti(English) 日本語版:ガリレオ]
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