米プロバスケットボール協会(NBA)、ロサンゼルス・クリッパーズのオーナーが、黒人への人種差別とも取れる発言をしたことで、波紋が広がっている。4月27日に行われた試合前の練習中、クリッパーズの選手たちは、ウェアをあえて裏返しに着て、チームのロゴや名前を露出せず、抗議の意思を明らかにした。
ユニフォームを裏返しに着ることが許されない試合中には、黒い靴下や黒いリストバンドを身につけていた。
問題の発言をしたのは、クリッパーズのオーナーであるドナルド・スターリング氏。親しい女性が元NBA選手でスーパースターだった、マジック・ジョンソン氏と撮った写真をネットに投稿したことをスターリング氏がとがめ、人種差別的な発言をしたという。
米メディアTMZが入手した音声によると、オーナーのドナルド・スターリング氏(80)が発言したという。自分が親密にしてきた女性がジョンソン氏と一緒に撮った写真を画像共有サービス「インスタグラム」に載せたと知って憤慨。「黒人とつき合いがあるのを見せびらかしたいなんて、すごく嫌なことだ」「彼らを私の試合に連れてくるな」と語ったという。
(朝日新聞デジタル「クリッパーズのオーナー、黒人差別発言か NBAが調査」より 2014/04/28 11:23)
ESPNによれば、このことを知った選手たちは怒りを露わにし、試合のボイコットさえも検討されたが、クリス・ポール選手は「チームで話し合った。自分たちができることチームがひとつとなってまとまることだった」と語っている。
マジック・ジョンソン氏も自らのTwitterで「彼がオーナーである間は、絶対にクリッパーズの試合は見に行かないよ」などと怒りを露わにしている。
現役のスター選手であるコービー・ブライアント選手も、「彼の下ではプレーできない」と投稿している。
事態はバスケット界にとどまらず、オバマ大統領もこの件に関して発言している。
マレーシアを訪問中のオバマ大統領も「信じられない差別発言だ」と不快感を表明。ヒートのレブロン・ジェームズ(29)は「彼に居場所はない」と永久追放を要求した。事実関係の調査に着手したNBA側は同オーナーに対し27日の試合での“出入り禁止”を通達。今後さらなる処分を科す構えを見せている。
(スポニチ「クリッパーズのオーナー 人種差別発言で永久追放危機」より 2014/04/28 05:03)
選手が無言の抵抗をした際の写真は、Instagramなどで投稿され、多くのシェアを集めている。
(GIF via @_scottjohnson)
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