ほとんどの親は、わが子の命がかかっていれば、力の及ぶ限り何だってする。チェルシー・キャンプさんが今回、犬の耳を噛みちぎったのもそのためだ。
キャンプさんが事件に遭遇したのは3月のこと。テキサス州アルヴィンの自宅近くで、2歳の娘マッケンジーちゃんと一緒にいたところに、隣人が飼っていたピットブル(通称ピットブル。闘犬としてつくられた種で、気性が荒いため、イギリス、ドイツなどでは飼育が禁止されている。アメリカの飼育犬のうちピットブルは5%にすぎないが、死亡事故の61%はピットブルによるものとされる)がやってきたのだ。
「犬が近寄ってきて、最初はあたりをただ嗅ぎまわっていました。それが娘の匂いを嗅いだ時、突然興奮し始めたのです。娘の身体についていた、うちの犬の匂いを嗅ぎとったのだと思います」と、キャンプさんは地元テレビ局KHOUの取材に対して語っている。
犬はマッケンジーちゃんに襲いかかったが、キャンプさんは犬の口に拳を突っ込んで応戦した。そして、娘が出血で窒息しないよう、娘の体をうつぶせにしながら、犬の耳に噛みついて食いちぎった。
驚くことに、キャンプさんは犬と格闘しながらも、何とか911に通報した。警官が到着してピットブルに発砲したが、殺すことはしなかった。
この犬は後に安楽死させられたと、「New York Daily News」は伝えている。
マッケンジーちゃんは母親のおかげで一命をとりとめたが、顔には犬に噛まれた傷が残った。
「The Atlanta Journal-Constitution」の記事によると、マッケンジーちゃんは数日以内に抜糸する予定だが、1年間は強い日差しを避けなければならないという。
キャンプさんにとって、この不運な出来事において最もつらかった体験は、事件の後に訪れた。犬との格闘で負った怪我が原因で、一時的に腕が使えなくなったのだ。
「最もつらかったのは、事件から1週間は娘を抱き上げることができなかったことです。でも今では(マッケンジーちゃんを)再び抱き上げることができます」とキャンプさんは語ったと、UPI.comは伝えている。
[David Moye(English) 日本語版:湯本牧子/ガリレオ]
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