いよいよ6月、FIFAワールドカップブラジル大会が開幕する。1998年のフランス大会以降、4大会連続で本大会に出場し、決勝トーナメント進出も2回経験している日本代表。本田圭佑選手や長友佑都選手ら日本代表の主力は、「目標は優勝」と断言している。日本の優勝の可能性はどのくらいあるのか。あるデータから紐解いてみよう。
優勝する国は、何が違うのか。実は、第一回大会までさかのぼっても、19大会すべて、優勝国は自国人の監督が率いている。古い時代はそもそも自国人監督ばかりだったこと、強国はおしなべて自国人監督であることを差し引いても、たったの一人もいないのは驚きだ。
では、ベスト4、ベスト8、決勝トーナメントに進出する国はどうだろうか。決勝トーナメントが16チームで争われるようになった、1986年のメキシコ大会まで過去7大会のデータを調べた。
ベスト16進出国では、延べ112チーム中、72.3%の81人が自国人監督、27.7%の31人が外国人監督だった。自国人監督81人のうちには2010年大会の日本代表監督である岡田武史氏、外国人監督31人には2002年大会のフィリップ・トルシエ氏が含まれている。
次に、日本が未だ到達していない、ベスト8に進出したチームだが、78.6%(44人)が自国人、外国人監督は21.4%(12人)だった。
ベスト4になると、一気に外国人監督の割合が減る。28人中、9割を超える25人が自国人監督で、外国人監督は3人しかいなかった。1998年大会でクロアチア代表を率いたボスニア人のミロスラフ・ブラジェヴィッチ氏、2002年大会で韓国代表監督を務めたオランダ人のフース・ヒディンク氏、2006年大会でポルトガルを指導したブラジル人のルイス・フェリペ・スコラリ氏の3人だ。共通するのは、いずれの国も優勝経験がなく、その国で過去最高の成績を残した大会であることだ。
決勝戦進出するチームはどうかというと、外国人監督はゼロ。優勝を争うブラジル、アルゼンチン、ドイツ、スペイン、イタリアなど強国はそもそも外国人監督を迎えたことはない。サッカー新興国が大国から外国人監督を迎えたとしても、決勝の舞台にはたどり着けていないのが現状だ。
では、決勝トーナメントに導いた外国人監督は、どういった国が輩出しているのか。進出回数の順で並べたのが以下のグラフだ。
なんとトップは6回進出を達成しているセルビア。ただしこれはアメリカ、コスタリカ、ナイジェリア、メキシコと4チームで達成した名将、ボラ・ミルチノビッチ氏の功績によるものが大きい。次点は4回のアルゼンチンで、2010年大会で日本が敗れたパラグアイを率いたヘラルド・マルティノ氏、チリ代表監督のマルセロ・ビエルサ氏ら、全部別の人物が達成している。
以下、イングランド、オランダ、スウェーデン、ブラジルと強国が続いている。
選手は続々と世界の舞台へ挑戦しているが、スペイン、ドイツなど欧州トップリーグのチームを率いる日本人監督はまだいない。日本サッカー協会は2050年までのワールドカップ優勝を目標としているが、そのときまでに世界で戦える日本人監督は生まれているだろうか。
※今回、作成したデータはGoogle Fusion Tableで公開している。
※初出時、一部の数値が誤っておりました。お詫びして訂正します。(18:52更新)
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