韓国・朴槿恵大統領の国内の支持率が、南西部の珍島沖で4月16日に起きた大型旅客船の沈没事故以降、急落しているという。
沈没事故では24日午後2時現在で171人の死亡が確認され、以前として131人が行方不明になっている。修学旅行中だった高校生が多数犠牲になる痛ましい事故は、韓国社会にも深い衝撃を与えており、怒りの矛先は乗客を置いて逃げた船長や船員から、韓国政府や朴槿恵大統領に向かいつつある。
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民間の世論調査会社「リアルメーター」のイ・テクス代表がTwitterで明らかにした。
朴大統領の支持率は、4月前半は平均して60%台で推移していたが、イ代表によると4月18日には71%に急上昇した。それが翌週に入ると67.0%(21日)、61.1%(22日)、56.5%(23日)と急落しているという。
17日に朴大統領は現地を訪問し、行方不明者の家族らが待機している体育館を訪れて意見交換した。18日は、これを受けた数値とみられる。
これについてイ代表は「大統領支持率は、その時点での評価とともに、国政への期待が含まれている。沈没事故直後に上昇していたのも、大統領の現地訪問を契機に救助活動に万全を期してほしいとの願いが込められていたが、救助活動への失望が大きかったとみられる」とツイートしている。
事故の捜索が長引く一方で船内から1人の生存者も見つかっておらず、韓国社会のいらだちは募る一方。当初、救助者数を半分以下に修正するなどの混乱や、事故発生時の初動を巡って海洋警察や行政機関の対応も批判を受けている。与党セヌリ党周辺から事故を巡る失言も相次いだ。朴大統領は21日の首席秘書官会議で「段階別に責任あるすべての人に、地位のいかんを問わず民事、刑事上の責任を問わなければならない」と述べた。
韓国メディアは、朴大統領が6月4日の統一地方選後に内閣改造に乗り出すのではないかと解釈している。
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