日本生産性本部は4月21日、2014年度の「新入社員 春の意識調査」の結果を公開した。調査によると、「社内で出世するより、自分で起業して独立したい」と思う人は11.8%で、過去最低だった。また、「海外勤務のチャンスがあれば応じたい」と思う人は50.1%で、前年より4.9ポイント減らし過去最低となった。
「今の会社に一生勤めようと思う」と答えた人は前年より1.3ポイント減少し54.2%だった。2000年は20.5%だったが年々上昇、2009年以降6年連続で5割を超えている。一方で、「条件のいい会社であれば、さっさと移る方が得だ」と考える人は前年より4.9ポイント上昇し30.9%で、10年ぶりに3割を超えた。
■残業は少ない職場が良いと考える人は約7割
政府の産業競争力会議では、労働時間によって賃金が変わらない「残業代ゼロ」の働き方を一般社員に広げることが議論されているが、新入社員は残業が多い職場や裁量労働制の働き方に対して消極的なようだ。
「残業」に関する質問では、「残業は多いが、仕事を通じて自分のキャリア、専門能力が高められる職場」と「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」では、「残業が少ない職場」を選んだ人は67.1%で、前年の62.9%から4.2ポイント上昇した。
また、「労働時間」に関する質問で、「残業手当がつくことを前提に決められた時間、場所で働く職場(含、フレックスタイム制)」と「仕事の成果で評価されることを前提に時間、場所などを自由に選べる職場」では、「決められた時間、場所で働く職場」を選んだ人は70%に達し、前年より0.9ポイント増加した。
給料の決め方では、「各人の業績や能力が大きく影響するシステム」よりも「業績や能力よりも年齢、経験を重視して給与が上がるシステム」を希望する人は、前年の38.3%から5.8ポイント上昇し44.1%となった。
このアンケートは日本生産性本部主催の新入社員研修などの参加者1761人に対して行われた。
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