韓国南西部で沈没した大型旅客船「セウォル号」の船内から潜水作業で搬出された死者が100人を超えた。4月22日正午時点で、104人の死亡が確認され、依然として198人の行方が分かっていない。
聯合ニュースによると、遺体の多数は、修学旅行の高校生たちが集まっていた4階船尾の客室と、3階のラウンジで発見されたという。捜索チームは、事故当時は多くの乗客が朝食のために3階の食堂に集まっていたとみて集中的に捜索する予定だが、食堂に通じる扉を開けられず難航している。
■自分たちだけ避難する船員、命落とした乗務員
事故を巡っては、船長が乗客より先に脱出したとして船員法違反容疑などで逮捕されたが、他の船員たちも乗客を置いて逃げ出していたことが判明し、船員のモラルに疑問が集まっている。
事故では船長ら船員10人が、事故発生から2時間後に最初の救助艇に乗って珍島に到着していた。
ハンギョレによると、捜査本部の取り調べに対し、機関長は「操舵室にいて船長から避難命令を受け、機関室の船員に電話で『避難可能な場所に集まれ』と指示し、船員たちだけが知っている通路から3階に降りて、機関室にいた船員と一緒に脱出した」と供述したという。
この時点で乗客に向けては「客室に待機してください」と案内放送で繰り返していた。
一方、最後まで乗客に救命胴衣の着用を呼びかけ、事故で亡くなった22歳の女性船員の葬儀が4月22日、執り行われた。
パク・チヨンさんは大学を休学して2012年に海運会社に入社して乗務員として勤務していたが、今年4月16日のセウォル号の沈没事故で、救命胴衣の着用を乗客に呼びかけていた姿が乗客に目撃されていた。ある高校生が「お姉さんはなぜ救命胴衣を着ないの」と問われ、「乗務員は最後までいなきゃいけない。あなたたちを全員助けて、私も後から行く」と答えたことが、韓国で美談として報じられていた。
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