「船内の生存者とサインをやりとりした潜水士がいる」。テレビのニュース番組で、潜水士として証言した女に、警察が「虚偽だ」と逮捕状を請求し、テレビ局が謝罪する騒ぎになっている。実は東日本大震災の直後にもニュースに登場していたことも判明した。
【韓国船沈没関連の記事】
動画やハンギョレによると、この女性は沈没事故から2日後の4月18日午前、ケーブルテレビのニュース専門チャンネルMBNのニュース番組に生放送で「出動を待っている民間の潜水士」として登場。「報じられていることはウソが多い。船の甲板から生存者と対話した潜水士もいる」と話した。
「直接確認したわけではないんでしょう?」というアンカーの問いに対し、
「潜水士たちは、みんな同じことを言っています。壁をはさんで対話を試みたとか、簡単なサインをやりとりしたとか。しかしマスコミだけは『違う』と言っています」と答えた。
「その話について、そちらに行っている政府関係者は何か言っていましたか?」
「はい、警察署長や職員も話していましたし、こちらに来ている海洋警察総長や幹部の方々とも何度も話しましたけど、同じことを言っていました」
と話したほか、「警察が民間の潜水士の作業を妨害している」「警察関係者が『時間つぶして帰れ』と言っていたと聞いた」などと主張した。
番組はソーシャルメディアで大きな反響を呼んだが、警察は「事実と異なる」と抗議し、名誉毀損容疑で女の逮捕状を請求。MBNの報道局長が同日、番組で「我々の意図から離れてSNSで拡散した」「混乱を招いて申し訳ない」と謝罪した。
女は同じ名前で2011年3月に、地上波テレビ局MBCのニュース番組に「東日本大震災が起きて韓国に帰りたいけど日本にとどまる若者」として短く登場。日本国内の韓国料理店で働きながら「恋人もいるし友達もいるし、帰れるわけがないじゃないですか」などと話す様子が放映されていた。
【UPDATE】
警察は4月21日、出頭してきた20代の女の身柄を拘束した。聯合ニュースによると、女は潜水士の資格を持っていないという。警察の調べに対し、事故翌日の17日に現場に向かう途中に、ソーシャルメディアを通じて放送局関係者と連絡を取り合ってインタビューを受けることにし「現場で聞いた噂を確認せずにインタビューで喋った」と容疑を認めているという。
関連記事