埼玉県の高校教師が勤務先の入学式を欠席して、自分の子どもの入学式に出席していた問題で、埼玉県の関根郁夫県教育長は4月14日の定例会見で「入学式は、基本的に教諭は出席すべき」と述べた。休暇届については「受理するのは校長の判断。一律にこうしろといえるものではない」とし、処分は考えていないことを明らかにした。埼玉新聞が報じた。
関根郁夫県教育長は14日の定例会見で「入学式は重要な学校行事。基本的に教諭は入学式に出席すべき。生徒や保護者を不安にさせてしまった。不安にならないようなフォローをし、(今後は)信頼関係を築いていくことが大事だ」と述べた。
(埼玉新聞「県立高教諭入学式欠席 教育長「基本的に出席すべき」」より 2014/04/14)
教諭は休暇届を提出し、新入生に向けたメッセージも作成していた。当日は、副担任が事情を説明したという。県内の県立高校では、ほかに男女3人の担任教諭が子どもの入学式に出席するため休暇届を提出し、勤務先の入学式を欠席していた。
埼玉県教育局に寄せられた電話やメールの意見では、教諭の欠席に理解を示すものが半数を占めたという。関根教育長は「時代が変わってきている。難しい問題」と語った。
同局によると、14日午後5時現在で、同局には電話や電子メールで86件の意見が寄せられた。そのうち教諭の行為(欠席)に理解を示すものが45件(52%)を占め、校長・教育長への批判は32件(37%)、教諭の行為を批判するものは9件(10%)だった。過去に県立学校の教諭が、同様の理由で勤務校の入学式を欠席したケースがあったかどうかは分かっていない。
(埼玉新聞『県立高教諭入学式欠席 教育長「基本的に出席すべき」』より 2014/04/14)
ハフポスト日本版の記事でも、30件を超えるコメントが寄せられた。多くの人が教諭の行動に理解した一方で、仕事への責任感という観点から教諭の行動に批判的な意見も寄せられた。他には、人事の問題だとして校長の責任を問う声や、個人を批判した政治家の行動を指摘する声も上がった。
以下に、コメントの一部をまとめて紹介する。
■教諭の行動に理解を示す声
自分の子どもを大切に想うのは当たり前のこと。
1番大切にするものを大切に出来ない人に我が子を指導して欲しくない。
(bara3)
毎年、入学式を休むというのであれば問題だけど、
3年か6年に一度の入学式、これってお互い様なんじゃないんですかね。
(Shoko)
担任が一日いないことと息子の一生に一度の高校入学式のどちらを優先させるべきか?前者は支障があるもののリカバリーは可能だが、後者は不可能だ。
(toshio sando)
教師以外が休んで果たして問題になるだろうか?きっとならないだろう。
これは、妊娠した教師を無責任だと責めて辞職をせまるモンスターペアレンツの思考に直結している(sinraptor)
教師を聖職者扱いする傾向は未だに強いですが、教師とて一介の労働者に過ぎないことを忘れてはならないでしょう。授業が始まったら尚更有給は取りにくくなるでしょうし。
(Hiroyuki)
学校の規定で休暇が取れたのなら問題ないと思います。入学式当日が特別ならその日を休暇がとれない日にすればいいのでは。
(takeshiito)
理由は何であれ有給休暇を取るのは、認められているはずだから、それはそれでいんじゃないか。
その先生は、お詫びのメッセージを出した、というだけ誠実だったと思う。「事情により欠席です」というのでも、構わないのだから(というかプライバシー保護の意味でいえば、その方が妥当と思える)。
(Tohru)
先生も人間ですから休まないときついと思います。土日も部活の顧問、勉強会に駆り出され、休みがほとんどないでしょう。おまけにモンペ対応、給食費未納問題等までやらされて、教師の仕事は民間企業に当てはめるとブラック企業状態と思います。だからうつ病の人が多い。教師が授業に専念できる状態をつくってやらないとやっていけないでしょう。
(Hiroshi)
■教諭の欠席に批判的な声
休暇を取って出席した大切な息子の入学式。
担任との初顔合わせ。
息子も親もどんな先生なのかと期待と不安でいっぱい。
ところが有給を取って欠席。
先生という立場ではなく、一人の親としてどう思いますか。
同じことをあなたのクラスの生徒と親が思ったはずです。(Hideyuki)
民間企業なら 休めたか? 自分の担当している部署でイベントがある日に・・・。 公務員 だから権利の行使で 休める? 誰のための 公務員なのか・・・疑問だ。
(edward11)
子供子供と我が子を思う意見が多数の中現在の過保護世代を感じてなりません。仕事がロクに出来ない。自立出来ない成人が増えています。一番身近な教育者である親が責任ある行動を見せることは今後の日本の将来にも深く影響してくるのではないでしょうか・・・
(Katsuhisa)
■校長の責任を指摘する声
これは校長が悪い。
まず第一に,一年生の子どもを持つ限り入学式に行きたくなるのは当たり前なのだから,新入生に当てるべきでは無い。第二に,上記に目を瞑ったとしても休暇に許可を与えている時点で教員に責任は無い。(Toru Hayata)
校長が悪いという意見には賛同します。
私が思うのは、わざわざ入学式出席のために欠席したということを説明する必要があったのだろうか、ということです。都合により休みましたとだけ言えばいい話です。余計なこと言うから騒ぎになるのです。(Hiroshi)
休暇届を許可した学校長が、全面的に責任を負うし、唯一、批判されうる。だいたいそのための責任者であり、このような問題を管理するための管理職。事前に教員の家庭の状況を把握してなかったとしたら、加えて職務怠慢でもある。
(G.k. Kodama)
校長には時季変更権があり,年休取得により公務の正常な運営が妨げられるときには、年休取得を認めないことができる。今回の場合,入学式に担任が出席することは公務の正常な運営として必要なことだと考えられる。当然,校長は時季変更権を行使できる。今回,校長が時季変更権を行使しなかったことが騒ぎとなった原因である。
(Yoshihiko S.)
■政治家の行動を指摘する声
(小学校ならまだしも)高校の入学式で、担任となる先生が自己都合で休んだくらいで「腹立たしい」「憤りを感じる」とFacebookに書いている、埼玉県議会の了見がとても狭いのではないかと感じます。
(Takayasu Iwasaka)
県議がそれをFacebookで情報拡散。学校名まで出すから、先生まで特定されるでしょう。議員の行動は軽率です。賛否が分かれることを批判すべきではありません。
(Hiroshi)
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