理化学研究所は4月1日、STAP細胞の論文に関して改ざん、剽窃など不正な点がある問題について最終報告書をまとめ、小保方晴子さんの2つの行為が、「改ざん」「捏造」などの不正行為にあたるとした。
(1)科学誌「Nature」に発表されたSTAP細胞論文の画像に切り貼りが行われていたこと=「改ざん」
(2)Natureに掲載されたSTAP細胞論文の画像に、小保方さんの学位論文に掲載された画像と酷似している画像が使われていたこと=「捏造」
一方で論文の共同執筆者である笹井芳樹さん、若山照彦さん、丹羽仁史さんの3名については、「改ざんされた画像を、事実を知らされないまま示されており、この改ざんは容易に見抜くことができるものではなかった」と判断。うち笹井さん、若山さんについて「責任は重大である」としながらも、不正については認定せず、事実上、小保方さんが単独で論文を改ざん・捏造しているとした。
この対応について、「小保方さんを切り捨て、問題解決を図っているのでは」といった、理研の組織ぐるみではないかとの疑問がTwitterを中心に集まっている。主な意見をまとめた。
また、研究機関でありながら、データは小保方さんのパソコンにあり取り出せなかったとしていることについても批判が集まっている。
理研の野依良治理事長は小保方さんが報告結果について「承服できない」としていることについてこう説明している。
東京・両国で1日午後に開かれたこの日2回目の記者会見。約300人の報道陣に囲まれ、野依良治理事長は「彼女(小保方氏)はSTAP細胞の存在を信じている。自分の研究なので思い入れがある」と述べた。
(朝日新聞デジタル『「捏造」個人の不正強調 理研「通常の研究者、ない」 STAP論文調査報告』より 2014/04/02 05:00)
科学ライターの鹿野司氏は、今回の捏造の背景に、京都大学・山中伸弥教授が研究するiPS細胞との研究予算をめぐる争いがあったのでは、と推測している。
なぜ、メディアに向かって、派手に宣伝する必要があったのか。
それは、今から思うと、政策決定者というか、予算の配分権を握っている人が、たぶん科学をそれほど好きでもなくて、科学とは何かわかっていなくて、何が科学にとって重要なのかの目利きのできない、平凡な人だからだと思う。
iPSとESをゼロサム的に競争させる,全くしょうもない政策決定は、まさにそういう人たちが物事を決めているのだと言うことを、研究者たちに知らしめ、心から震え上がらせ、焦らせているんじゃないかなあ。
科学を科学としてやり抜く環境が、日本では崩壊しつつあるんだよね。
( くねくね科学探検日記「科学が好きということとSTAP騒動(その4)」より 2014/03/31 22:50)
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