ロシアのプーチン大統領は3月18日、モスクワで演説し、ウクライナ南部のクリミア自治共和国をロシアに編入すると表明した。欧米諸国はロシアによるクリミアの編入に強く反対しており、緊張がさらに高まるのは避けられない情勢だ。NHKニュースなどが報じた。
プーチン氏は演説で「クリミアはロシアの主権下に入るべきだ」などと述べ、編入の合法性を強調。演説後、クリミア自治共和国のアクショノフ首相らと編入を定めた条約に署名した。
プーチン大統領は、ロシアとウクライナの歴史的なつながりの深さを強調し、クリミアは、過去も現在もロシアにとって切り離せない土地だと述べました。
(略)そして、クリミアで16日に行われた住民投票は、国際法にのっとったものだと主張したうえで、「大多数のクリミアの住民とロシア国民が、クリミアのロシアへの編入を支持している。クリミアは、ロシアの一部だ」と述べて、クリミアをロシアに編入すると正式に表明しました。
(NHKニュース「プーチン大統領 クリミアの編入を表明」より 2014/03/18 21:12)
プーチン氏は、西側諸国による制裁措置を攻撃的行為と見なし、報復するとも表明した。
ソ連崩壊で1991年に誕生したロシアが本格的に領土を拡大させるのは初めて。
ロシア議会が条約を批准することは確実。ロシア大統領府は18日の条約署名をもってクリミアはロシアに編入されたとの見解を示した。プーチン氏は「ウクライナに住むロシア住民の利益を政治的、外交的、法的に守っていく」とも語り、今後もウクライナ情勢に関与し続ける姿勢を鮮明にした。
条約は今後、ロシア憲法裁判所の審査と双方の国会での批准をへて手続きが完了する。
(朝日新聞デジタル「ロシアがクリミア編入 両者が条約に署名」より 2014/03/18 21:20)
欧米は、追加制裁を含め、ロシアに対する圧力をさらに強めるとみられる。日本政府も18日、ロシアに対する経済制裁を決定した。
菅義偉官房長官は18日、閣議後の会見で、クリミア半島でのロシア編入を問う住民投票を受けて、ロシアへの経済制裁を決定し、発表した。ビザ緩和協議の停止や、新投資協定や宇宙協定など三つの新たな日ロ協定の締結交渉開始凍結が含まれている。
(ロイター「対ロシア経済制裁を決定、 ビザ緩和協議などの凍結=官房長官」より 2014/03/18 10:58)
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