南シナ海上空でマレーシア航空MH370便(ボーイング777―200型機、乗客乗員239人)が消息を絶った問題で、アメリカ商業衛星企業デジタルグローブは3月11日、航空機の捜索にクラウドソーシングを利用し、衛星画像から機体の残骸などを探し出すようインターネットユーザーに協力を呼びかけたことを明らかにした。ロイターなどが報じた。
クラウドソーシングはインターネットを通じて不特定多数の人に業務を委託する手段。
同社は、マレーシア機が消息を絶った当初に墜落したとみられていたタイ湾と南シナ海にわたる海域から衛星2基を使って画像を収集。10日にクラウドソーシング・ウェブサイト「Tomnod(トムノッド)」に掲載し、同機の捜索を一般に呼びかけた。
同ウェブサイトには画像をスキャンするため、少なくとも60万人のボランティアがログインした。
(ロイター「自宅PCから60万人が不明機の捜索に協力、米企業が呼びかけ | 世界のこぼれ話」より 2014/03/12 13:17)
約3000平方キロに及ぶ海域に機体の残がいや救命具などの手掛かりがないかどうか、それぞれのユーザーがパソコン上で探して印を付ける。通信が途絶えた後で機体がいったん引き返した可能性も指摘されていることを受け、近日中にマレーシア西側のマラッカ海峡の画像も追加される見通しだ。
(CNN.co.jp「マレーシア機不明、世界のネットユーザーが捜索に協力」より 2014/03/12 17:25)
■引き返そうとしていた可能性も
マレーシア航空機が8日に消息を絶って5日目となったが、捜索は依然として難航している。航空機は本来の飛行ルートから大きく外れ、引き返そうとしていた可能性が浮上している。アメリカCNNが、マレーシア空軍幹部が匿名で語った話として伝えた。
同幹部によると、問題のマレーシア機はベトナム沖上空で自動交信装置が停止した後、目的地の北京とは逆方向へ引き返したとみられる。空軍は出発地クアラルンプールの北西、マラッカ海峡の上空で機体を見失ったという。
これが事実とすれば、操縦席で交信装置を切り、方向転換する操作が意図的に行われた可能性がある。一方で、重大故障によって停電が起き、操縦士が手探りで引き返そうとしたとも考えられる。
(CNN.co.jp「 マレーシア機、飛行ルート大きく外れる 盗難旅券で搭乗のイラン人写真公開」より 2014/03/12 10:05)
消息を絶った旅客機について、アメリカのCIA(中央情報局)のブレナン長官はテロの可能性を「排除しない」と述べる一方、国際刑事警察機構(ICPO)のノーブル事務総長が「テロではない」との見解を表明。いまだに実態は謎に包まれたままだ。
■自衛隊機4機をマレーシア派遣へ 捜索活動に参加
一方、防衛省は3月12日、航空機の捜索協力のため、国際緊急援助隊派遣法に基づき海上自衛隊の哨戒機など4機をマレーシアに派遣することを決めた。防衛省が航空機の捜索で海外に自衛隊を派遣する初めてのケースとなる。時事ドットコムなどが報じた。
派遣するのは海自のP3C哨戒機2機と航空自衛隊のC130輸送機2機で、総勢約100人態勢。自衛隊員らで構成する先遣隊4人が12日中にクアラルンプール入りし、マレーシア政府と具体的な捜索方法について協議する。防衛省によると派遣する4機はクアラルンプール周辺の空港を拠点とし、マレー半島周辺地帯を他国と協力して捜索活動に当たる。
(時事ドットコム「哨戒機をマレーシア派遣=海外での航空機捜索は初-防衛省」より2014/03/12 11:04)
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