3月8日未明にクアラルンプールから北京へ向かう途中に南シナ海上でこつぜんと姿を消したマレーシア航空MH370便(ボーイング777―200型機、乗客乗員239人)は、丸2日以上たった10日になっても見つかっていない。ベトナム当局が残骸を発見したとの報道が一時流れたものの、捜索活動に当たっているマレーシア側の責任者はこれを否定、さらに「航空史上、前代未聞の謎」と述べた。
マレーシア航空機をめぐっては、爆発やハイジャックの可能性も浮上している。ロイターは次のように伝えた。
マレーシア民用航空局のアズハルディン・アブドル・ラーマン局長は、ハイジャックの可能性は排除できないと表明。会見で「機体は発見できていない。機体の一部と見られる物体の発見もまだだ」と述べた。
マレーシア機の消息不明をめぐっては、セキュリティーチェック上のミスがあった可能性が浮上しており、爆弾やハイジャック犯の関与が疑われている。国際刑事警察機構(ICPO)は9日、少なくとも2人の乗客が不正な旅券を使用したことを確認、虚偽の本人確認書類を使った乗客がほかにもいた可能性について、調査していると発表した。
(ロイター「マレーシア機いまだ発見されず、当局者『ハイジャック排除できない』」より 2014/03/10 17:09)
■消息を断ったマレーシア航空機
ベトナムの海洋当局は9日遅く、同国の海軍機が海上で航空機の残骸の可能性のある物体を上空から確認したと明らかにした。しかし、夜明けを待って改めて調べたところ物体は発見できなかったという。
安定飛行していたマレーシア航空機は8日、突然、管制官への連絡もないまま消息を絶った。MSN産経ニュースは「世界で最も安全な旅客機の一つとされるボーイング777に何が起きたのか、謎が深まっている」とした。機長は飛行総時間1万8365時間のベテランだった。
機体に異常が生じたのなら、降下しながら地上に「メーデー」といわれる遭難信号を出す時間はあったはずだが、出ていない。信号を出すまでもなく、瞬間的に操縦不能となる爆発などが発生した可能性も考えられるが、爆発すれば残骸が散らばり、海面に浮くはずだ。また、引き返そうとしたのが事実なら、急病人や乗客のトラブルも考えられるが、消息を絶った原因は不明だ。
(MSN産経ニュース「【マレーシア機不明】海上に消えた機体 深まる謎 遭難信号出さず」より 2014/03/10 08:20)
■主翼に修理歴
マレーシア軍は、消息を失ったマレーシア航空機は2012年8月、空港を移動中に他の航空機と接触して右主翼を破損する事故を起こしていたことを明らかにしている。
9日の会見では、行方不明になった航空機が過去に右主翼の一部を破損する事故を起こしていたことも明らかにされた。2012年8月に中国・上海の空港で移動中に別の機体と接触。米ボーイング社で補修し、航空当局が再運航を認めていたという。
(朝日新聞デジタル「マレーシア機、引き返し試みた可能性 残骸?海上で発見」より 2014/03/10 00:57)
■2人が盗まれた旅券で搭乗
一方、マレーシア航空機に盗まれたパスポート(旅券)を使って搭乗した男2人が、北京を経由し欧州行きの航空券を所持していたことが3月10日、マレーシア捜査当局などの調べで新たに分かった。
2人はイタリア人とオーストリア人から盗まれた旅券で搭乗。テロ行為との関連が疑われる一方、航空券の目的地が北京ではなく、欧州だったことから、薬物犯罪などに関わるグループの一員で、偶然不明機に乗り合わせていたとの見方も出ている。
(47NEWS欧州行き航空券所持 マレーシア機搭乗の2人」より 2014/03/10 10:23)
【関連記事】
関連記事