マレーシア機、引き返し試みた可能性 残骸?海上で発見
南シナ海上空で行方不明になったマレーシア航空MH370便(ボーイング777―200型機)が、消息を絶つ直前に、出発地のクアラルンプールに引き返そうとした可能性があることが9日、分かった。ただ管制への連絡はなく、当局は何らかの突発的なトラブルに見舞われた可能性があるとみて調べている。
会見したマレーシア空軍長官によると、空軍のレーダー記録などを解析した結果、MH370便が消息を絶つ直前に、進路を変えた可能性があるという。引き返す場合は管制に連絡があるのが通常だが、離陸から約50分後に消息を絶つまでに、パイロットから緊急事態を知らせる交信や信号などはなかったという。
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9日の会見では、行方不明になった航空機が過去に右主翼の一部を破損する事故を起こしていたことも明らかにされた。2012年8月に中国・上海の空港で移動中に別の機体と接触。米ボーイング社で補修し、航空当局が再運航を認めていたという。マレーシア当局は、事件と事故の両面から捜査を続けている。
機体の捜索活動は9日、マレーシア、ベトナム、シンガポール、米国など計8カ国の軍や救難当局が参加し、範囲を拡大して行われた。ベトナムのメディアは同日夜、ベトナム海軍と沿岸警備隊の船が航空機の残骸とみられる物体を海上で発見したが、夜間のため回収できなかったと報じた。マレーシア当局が捜索のための飛行許可をベトナム政府に申請した。(セパン〈マレーシア〉=都留悦史、ハノイ=翁長忠雄)
(朝日新聞社提供)
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