白亜末期の6500万年前に恐竜など生物が大量絶滅したのは、巨大隕石(いんせき)の衝突で発生した酸性雨による海洋の酸性化が原因となった可能性が高いという研究論文を、千葉工業大学などのチームが3月9日付の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)に発表した。NHKニュースなどが報じた。
千葉工業大学・惑星探査研究センターの大野宗祐上席研究員らで作る研究グループが、隕石の衝突直後の様子を再現した実験で突き止めた。三酸化硫黄と呼ばれる物質が大量に放出されていたことが分かった。海が酸性化し、プランクトンなど生物の多くが生存できなくなったとみられる。
三酸化硫黄は強い酸性雨を引き起こす物質で、衝突後、数日のうちには地球全体に降りそそぎ、それが恐竜の絶滅につながった可能性が高いと研究グループはみています。
千葉工業大学の大野宗祐上席研究員は「隕石の衝突による酸性雨と恐竜などの大量絶滅のメカニズムを知ることは、現在の生態系がどのように作られたかを理解するうえでも重要だ」と話しています。
(NHKニュース「恐竜絶滅は隕石衝突後の酸性雨が原因か」より 2014/03/10 4:23)
生物の大量絶滅については、これまで様々な仮説が提唱されてきた。
メキシコ・ユカタン半島に約6550万年前に直径10キロの隕石が衝突し、環境が変動して地球上の全生物種の半分以上が絶滅したとされる。隕石衝突で放出されたちりが日射を遮り寒冷化が起きたとする説など、さまざまな説が提唱されているが、どれも海の生物の絶滅をうまく説明できなかった。
(47NEWS「恐竜絶滅、酸性雨が原因か 隕石実験で判明と千葉工大」より 2014/03/10 03:01)
千葉工業大学は3月10日、この研究成果についてのプレスリリースを発表した。
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