アーティスト兼リサーチャーのニコライ・ラム氏は2013年6月、米国19歳女性の標準体型に基づいたバービー人形の3Dモデルを作成(日本語版記事)して話題になった。今度はそれを「ラミリー・ドール」と名づけて一般発売しようとしている。
ラム氏は現在、クラウドファンディング・サイト「CrowdtiltOpen」で、「ラミリー・ドール」製造のための資金集めを行っている。9万5000ドルが目標だったが、締め切りまで29日を残して、すでに19万ドル以上が集まっている。
ラミリーには、手首、膝、肘、足首に関節があり、顔はナチュラルメイク(日本語版記事)、服装はデニムショーツにスニーカー、とスポーティーだ。
「一般に出回っている人形はほとんど、プリンセスのようなドレスや、ちょっと過激な服装をしている。けれども私は、GAPやJ.Crewで売っていそうな服をラミリー・ドールに着せたいと思う」。米ハフィントン・ポストに寄せた電子メールでラム氏はそう語った。
最初は子供ではなく親がターゲットだが、ラミリー・ドールの売れ行きは、女の子たちが遊びたいと思うかどうかにかかっている。ラム氏は、女の子たちに好まれそうなパッケージングや広告、双方向世界などをデザインするつもりだという。
バービーなどの市販されている人形は現実離れした体型をしているが、ラミリー・ドールはそれに取って代わろうとするものだ。バービーは最近、「スポーツ・イラストレーテッド」誌の水着特集号に登場したことで話題になった。偶然にも、バービーの新しいソーシャルメディア・キャンペーン「#Unapologetic(堂々としよう)」のスタートと重なっている(同キャンペーンは、ありのままの少女や女性に対する賛美が目的だと伝えられている)。
バービー製造元のマテル社で広報を担当するミシェル・チドーニ氏は、プレスリリースの中で、「バービーは伝説的な存在です。『スポーツ・イラストレーテッド』誌の水着特集創刊50周年号に登場したことで、バービーの体型や外見に批判もありますが、バービーのみならず、同誌に登場した偉大な女性たちが、自らを受け入れ、過去の業績を祝い、堂々と主張する絶好の機会になるでしょう」と述べている。
「バービーを標準的な体型にデザインしたことは一度もありません。バービーは、女の子が着せ替えしやすいように作られたのです」。マテル社のデザイン担当副社長キム・カルモネ氏は2014年2月、「Fast Company」に対してそうコメントしている。
また、シャーロット・アルター氏は2014年2月5日付の「タイム」誌で、バービーは、150以上ものさまざまな職業につき、自宅や車を所有し、大統領に立候補までしたのだから、ロールモデルとしてふさわしくないとは言えないと指摘した。
とはいえ、バービーの体型が、少女たちの自意識に影響を与えるのが事実であることに変わりはない。子どもたちに、現実的な女性を模した人形で遊ぶという選択肢を提供することは望ましいと言えるだろう。
[Nina Bahadur(English) 日本語版:遠藤康子/ガリレオ]
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