アメリカのオバマ大統領は3月4日、ロシア政府がロシア系住民の保護を理由にウクライナ南部クリミア半島への軍事介入を正当化したことに対して「誰もだまされない」(I don’t think that’s fooling anybody)と述べ、さらに「ロシアが周辺国に利害を有しているのは承知しているが、影響力を強める手段として武力を用いる権利はない」と語り、プーチン大統領を非難した。ワシントン市内で記者団に語った。時事ドットコムなどが報じた。
大統領は「ウクライナのロシア系住民らが脅かされている実際の証拠があれば、国際的なメカニズムを通して対処する方法はある」と指摘。「プーチン氏が何を述べようと、ロシア部隊の展開は、彼が(国際社会の)原則を守っていないことを示している」と訴えた。
さらに「ロシアの行動は巧妙で戦略的とも言われている。しかし、それはロシアの強さを示しているのではなく、むしろ周辺国の懸念や不信を深め、ロシアからの離反につながる」と強調した。
(時事ドットコム「ロ大統領に「だまされない」=「侵略の口実」と批判-米」より 2014/03/05 06:43)
ホワイトハウスの発表によると、オバマ氏は、アメリカやヨーロッパ連合(EU)、日本、カナダなどの同盟国が「国際法違反だと確信している」との見方を改めて示した。また、「ロシアが国際法を侵しているとの確信がある」と強調し、ロシアがクリミア半島に利害があっても「ほかの国で武力を行使する権利はない」と述べた。
また、事態の沈静化とウクライナへの国際監視団派遣の必要性を訴え、現在のロシアの行為は「多くの国々をロシアから離反させることになる」と強調した。
ウクライナ入りしたアメリカのケリー国務長官は3月4日、首都キエフで新政権幹部らと会談、10億ドル(約1千億円)の財政支援策などを表明した。さらに記者団に対して、「アメリカがウクライナの主権と領土の一体性を守る立場を再確認する。我々はロシアの侵略行為を非難する」とロシアを強く非難した。
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