カナダのアルバータ州に本拠を置く仮想通貨ビットコインの取引所「フレックスコイン(Flexcoin)」は3月4日(現地時間)、同社の公式サイト上で、取引の停止を発表した。
同社サイトに掲載されたプレスリリースによると、停止の理由は、悪意あるハッカーによる盗難に遭い、896ビットコインが不正に引き出されたことだ。この被害額は、事件当時の価値で、およそ60万ドル(6130万円)に相当する。
今回のニュースは、世界最大級のビットコイン取引所「マウントゴックス」が、85万ビットコイン(約470億円相当)を不正に引き出されたとして、破産手続きを開始(日本語版記事)してから、わずか数日しかたっていない。相次ぐ仮想通貨の盗難は、テクノロジー好きの人たちやリバタリアン(自由至上主義者)、富裕な白人男性(日本語版記事)らが愛するこの通貨を脅かしている。
フレックスコイン社のプレスリリースでは、「当取引所は2014年3月2日、サイバー攻撃により、『ホット・ウォレット』に預けられていたすべてのビットコインを喪失しました」と述べられている。「当取引所は、今回の損失をカバーするためのリソースや資産等を持たないため、取引を即座に停止します」
同取引所に特別料金を支払って、より安全なオフラインの「コールド・ストレージ」にビットコインを預けていた人たちは、ビットコインを取り戻すことができる。今回の犯人は、オフラインで保管されていたビットコインにはアクセスできなかったからだ。
しかし、オンラインのホット・ウォレットにビットコインを預けていた顧客たちは、不運な目に合う模様だ。フレックスコイン社のプレスリリースには、ホット・ウォレットの利用者たち向けに、サービス利用規約を確認できるリンクが貼られている。この規約には、「フレックスコイン社は、フレックスコインのシステム内に保管されたいかなるビットコインについても、保証の責任を持たない」という条項があるのだ。
利用者たちは、「ビットコインのいかなる損失に対しても、フレックスコイン社や、フレックスコイン社の利害関係者、フレックスコイン社の株主に対して、責任を求めることはできない」と、同規約には規定されている。
フレックスコイン社サイトのほかのページでは、同社は「ビットコインのセキュリティ問題」を含めて、ビットコインが抱える問題を解決した、と誇らしげに主張されているのだが。
[Alexis Kleinman(English) 日本語版:丸山佳伸、合原弘子/ガリレオ]
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