ドブリ・ドブレフ氏は99歳。よく知らない人が街で彼に出会ったら、生活のために他人の親切心に頼る、やせ衰えたホームレスという印象を与えるかもしれない。
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だが、ブルガリアの首都ソフィア市の住民たちは、ドブレフ氏のことをよく知っている。同氏を紹介するサイト「SaintDobry.com」によれば、ソフィアの街で長年「ホームレス」を行っているドブレフ氏は、街の人たちから、「聖者」や「不思議で神聖な人」と呼ばれているという。
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SaintDobry.comによれば、ドブレフ氏はソフィア市で、通行人にお金を求めて毎日を過ごしているが、そのお金は、1セントたりとも自分のものにしていないのだ。
ドブレフ氏は、月80ユーロ(約1万円)の年金で生活を賄い、残りのお金はすべて、彼が最も大切なものと考える場所へ寄付している。それは、教会と孤児院だ。
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ドブレフ氏はソフィア市から24キロ以上離れた村に住んでいる。以前はその距離を徒歩で移動していたが、現在はバスを利用しているそうだ。
「Yahoo News Canada」の記事によれば、ドブレフ氏は、第2次世界大戦中に聴力をほとんど失ってしまったという。
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ドブレフ氏はこれまで長年に渡り、いくつもの教会に対して惜しみない寄付を行ってきたが、なかでも最大級の規模とされるのは、アレクサンドル・ネフスキー大聖堂へ贈ったものだ。同教会が公開したYouTube動画では、その寄付金は3万5700レフ(約240万円)だったと紹介されている。
さらに、画像共有サイト「Imgur」の投稿によると、ドブレフ氏は孤児院にもお金を寄付しており、孤児たちが光熱費を賄えるよう支援していることが知られている。
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ドブレフ氏に何度も会ったことがあるという「Reddit」ユーザー「Nullvoid123」が2013年に投稿した文章によれば、ドブレフ氏は過去に一度「悪いことをしてしまった」ために、現在は他人を助けることで、過去の過ちを償おうとしているのだと語っていたという。
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ドブレフ氏は、2000年に制作された映画『Mite』(リンク先は、映画の一部を紹介する動画)の中で、「善意とは、神の義にかなった、真実のものです。善意のなかでおこなわれるすべては良いことです」と述べている。「我々は、うそを言ったり、盗んだり、姦淫してはいけません。神が我々を愛してくださるように、我々も互いを愛し合わなければなりません」
[Eleanor Goldberg(English) 日本語版:丸山佳伸、合原弘子/ガリレオ]
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