「あの子、大事なときには必ず転ぶんですよね」
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相の発言が波紋を呼んでいる。2月20日、福岡市での講演で、ソチ五輪フィギュアスケートの浅田真央選手のショートプログラムの演技や、フィギュア団体戦について述べた内容に批判が高まっている。
朝日新聞デジタルによると、浅田選手の地元・名古屋市の河村たかし市長は、森元首相の発言に対し、不快感を示したという。
浅田選手の地元・名古屋市の河村たかし市長は21日、「だれもやらないトリプルアクセルに挑戦したことに拍手すべきだ。人生で転ぶことはたくさんある。そんなことを言っていたら挑戦する人がいなくなる」と不快感を示した。
(朝日新聞デジタル「『スポーツ分かってない』ダルら批判 森元首相発言」2014/02/21 22:27)
ネット上では、メジャーリーガーのダルビッシュ有投手が、「スポーツの本質何もわかってない」などとコメントするなど、様々な意見が寄せられた。
森元首相は、21日夜、共同通信の取材に対し、自身の発言について「私の真意と全く違う。女子フィギュア団体戦で戦略を間違えたと指摘したかった」と述べたという。
森氏は「浅田選手は団体戦に出場する必要がなかったのに、勝ち目が薄い中、成功すれば3位になれるかもしれないとの淡い気持ちで出させられ、結果転んだ。精神的な負い目になったはずで、かわいそうだ」と述べた。
同時に「フィギュアスケート女子フリーで巻き返し、良い成績を残せたのは良かった」とねぎらった。
(47NEWS「「真意と違う」と森氏が強調 浅田選手めぐる発言で」より 2014/02/21 22:58)
■全文を読めばわかる?
21日、TBSラジオの番組「荻上チキ・Session-22」の公式サイトで講演の書き起こしが公開された。ネット上では、全文を読めば浅田選手をかばっていることがわかるという意見や、全文を読んでも印象は変わらないなど、意見が分かれた。
■「どうでもいい話してるだけ」との意見も
堀江貴文さんは、21日付けの自身のブログで、「記事の全文書き起こしをみてみると、まあ別に悪気がないけどデリカシーのないおっさんってな大した話じゃないわけ」「スルーするのが一番」とコメント。また、Twitterでは「いい事言っててもその部分は評価されない」とも述べた。
■東京都庁には苦情も
2020年東京五輪の組織委員会がある東京都庁には、苦情が相次いだという。また、東京都の舛添要一知事は「若干困ったことだなという感じはしている」と感想を述べたという。日刊スポーツなどが報じた。
組織委員会がある東京都庁には21日、苦情が相次いだ。「都民の声窓口」には、この日午後4時までにメールが89通、電話が7件あり、ほとんどが浅田を擁護する内容。「森氏に謝罪してほしい」という要望もあった。
組織委にも電話で約70件の意見が寄せられた。「そこまで言う必要はなかった」などと大半が批判的な内容で、数件は発言に理解を示すものだったという。
(日刊スポーツ「森発言に苦情 舛添知事『若干困った』」より 2014/02/22 08:51)
東京都の舛添要一知事は21日、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相が、フィギュアスケートの浅田真央選手を「大事なときには必ず転ぶ」と評したことについて「若干困ったことだなという感じはしている」と感想を述べた。
その上で「今後はああいうことはおっしゃらない方がいいかなという感じがした。お会いすれば進言したいと思っている」と語った。
(47NEWS「森氏発言に都知事『困ったこと』 『会えば進言したい』」より 2014/02/21 17:57)
また、舛添知事は、浅田選手のフィギュア団体戦出場に関しては「もうちょっと大事に真央さんを使ってあげてもよかった」と述べ、浅田選手を団体戦に出場させるべきではなかったとする森元首相の考えと同じ認識を示したという。
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