東京都知事選は2月9日、投開票され、無所属で元厚生労働相の新顔、舛添要一氏(65)=自民、公明推薦=が当選した。午後8時の投票終了と同時に、朝日新聞デジタルなどが「当選確実」と伝えた。
朝日新聞デジタルによると、16候補の確定得票は以下の通り。
舛添要一(65) 新 2,112,979
宇都宮健児(67) 新 982,594
細川護熙(76) 新 956,063
田母神俊雄(65) 新 610,865
家入一真(35) 新 88,936
ドクター・中松(85) 新 64,774
マック赤坂(65) 新 15070
鈴木達夫(73) 新 12684
中川智晴(55) 新 4352
五十嵐政一(82) 新 3911
ひめじけんじ(61) 新 3727
内藤久遠(57) 新 3575
金子博(84) 新 3398
松山親憲(72) 新 2968
根上隆(64) 新 1904
酒向英一(64) 新 1297
(朝日新聞デジタル「2014東京都知事選」より)
投票率は46.15%と、衆院選と同日だった前回の62.60%を16.45ポイント下回り、過去3番目に低い数字となった。猪瀬直樹前知事が医療法人・徳洲会グループから5000万円の借入を受けていたことに対する引責辞任で、知事選が過去3年の間に3回目となったことや、前日に大雪が降ったことなども影響したとみられる。
初当選が確実となった舛添氏は9日、都内で支援者を前に「ひたすら政策を訴え続けたことが有権者の皆さんに評価されたと思う。東京を世界一の街にしたい。福祉、防災、経済、そしてなにより6年後の東京オリンピックを成功させたい」と述べた。
また、社会保障政策について「出産や雇用、年金などあらゆる面に力を入れていきたい。特に待機児童は4年間でゼロにしたい」と述べ、厚労相としての経験を生かして福祉政策に取り組む考えを強調した。
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舛添氏は福岡県出身。東大法学部を卒業後、東大助教授などを歴任したあと、2001年の参院選で自民党から立候補し初当選。2007年8月から安倍(第1次)、福田、麻生の各内閣で厚労相を務めた。2009年の衆院選で自民党が野党に転落すると離党(自民党は除名処分)し、2010年に「新党改革」を旗揚げして代表を務めた。1999年の東京都知事選にも立候補したが、落選している。
猪瀬直樹前知事が辞任を表明すると、1月14日に立候補を表明。「史上最高のオリンピック」に向けた会場や都市基盤の整備のほか災害対策、社会保障の充実などを訴えた。都知事選には元首相の細川護熙氏(76)が「脱原発」を訴え、小泉純一郎元首相の支援を受けて立候補したが、舛添氏は選挙戦では原発問題にほとんど触れずに争点化を避け、自民党や公明党の推薦も取りつけて手堅く選挙戦を進め、序盤から優位を保った。
これらの課題に加え、全国ワーストとなる待機児童問題や大都市部で顕在化する貧困の解消も課題となる。選挙戦で浮上した「脱原発」をめぐって、日本最大の電力消費地・東京が、原発にできるだけ依存しない電力供給をどのように進めていくのか、東京電力の大株主として原発政策にどのように関与していくのかも注目の課題となるだろう。
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