オリンピックが開かれているソチでは、オリンピックを前に市当局が大量の野良犬を駆除し、地元の動物保護団体や愛犬家は批判を強めている。
当局側は駆除の理由として、ロシアには狂犬病の犬が多くて危険だと説明している。オリンピック会場などで駆除を請け負ったロシア南部ロストフナドヌーの会社「バーシャ」のアレクセイ・ソロキン社長は、共同通信の取材に対して次の通り答えている。
「ロシアは狂犬病国。五輪が安全に明るい雰囲気で開かれるために駆除は必要。野犬は非衛生的で、かみつくこともあり危険だ」と指摘する。
社長は具体的な駆除数は明かしていないが、最近は「1年間のノルマを1カ月でこなす」ペースという。公開資料によると1匹当たりの駆除報酬は約1000ルーブル(約3000円)。過去2年間のソチ市内の駆除数は約5800匹との情報もある。(共同)
(MSN産経ニュース「【ソチ五輪】野犬駆除『ほぼ完了』 五輪会場、保護団体は反対 - ソチ冬季五輪2014」より 2014/01/29 16:32)
オリンピックの組織委員会は、野良犬の保護施設を整備したとしているが、批判は続いている模様だ。CNNは次の通り伝えている。
批判が高まったことを受けてソチ2014組織委員会はこのほど声明を出し、「オリンピック公園で見つかった野犬はすべて、公園を利用する人と動物自身のために、専門要員が収集している」「健康状態をチェックした後、健康な動物はすべて放している」と説明した。市郊外には新しい保護施設も開設されたという。
しかし地元で野犬の保護活動を展開している女性はこの施設について、報道陣に見せる目的で建設されたにすぎないと批判。
(中略)
ソチ在住の弁護士は、「五輪を批判するつもりはない」「ここには避妊や去勢の制度がないため大量の野犬がいて、当局はコントロールできずにいる」と指摘。「ロシアでは動物を虐待しても罪に問われない」と話した。
(CNN.co.jp「 ソチ当局が毒物で野犬狩り? 愛犬家が救助活動 (1/2)」より 2014/02/06 15:07)
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