政府は現在策定中の新しいエネルギー基本計画において、高速増殖炉原型炉もんじゅの研究計画を白紙に戻し、全面的な見直しを考えていることがわかった。47NEWSが報じた。
政府が策定中のエネルギー基本計画で高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、実用化に向けた研究計画の全面的な見直しを検討していることが7日、分かった。トラブルが相次いでいるほか、増殖炉の必要性が薄れているためで、高レベル放射性廃棄物の量などを減らす「減容化」研究に転用する案が浮上している。
(47NEWS「増殖炉もんじゅ実用化見直し検討 国のエネルギー基本計画」より 2014/02/07 11:33)
エネルギー基本計画とは、国のエネルギーの全体量や内訳について、今後10年、20年、30年という長期計画について記したもの。2013年12月に発表した原案では、原発を「重要なベース電源」と位置づけ積極的に活用する姿勢を打ち出すとし、さらに、核燃料サイクル事業については「着実に推進する」とうたっていた。
「もんじゅ」は、プルトニウムを燃やしてさらに多くのプルトニウムを生み出す「核燃料サイクル」の実現を目指して、1995年に試運転を始めた。しかし、同年12月、ナトリウム漏えい事故が発生して運転停止。2010年に性能試験を再開したが、炉内中継装置の落下事故により再度運転を停止している。2013年5月には原子力規制委員会より、運転準備中止命令が出されていた。もんじゅの原子炉施設直下にも断層が見つかっており、活断層かどうかの検証が続けられている状態だ。
「もんじゅ」をエネルギー基本計画に盛り込まず、実用化目標を白紙にすると報道について、菅義偉官房長官は2月7日の閣議後会見において、「方向性を決めた事実は全くない」と述べた。
また、菅官房長官は新しいエネルギー基本計画について、パブリックコメントなど様々な意見をふまえ、徹底的に検討を行ったうえで策定したいと述べた。
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