冬季オリンピックが2月7日から開かれるロシア南部ソチのパホモフ市長が1月27日までに、「ソチにはゲイ(同性愛者)はいない」などと英BBCのインタビューに答えた。ロシアの人権問題をめぐって欧米各国の首脳が開会式の欠席を次々と表明するなかでの発言は、さらなる波紋を広げそうだ。朝日新聞は次のように報じた。
BBCは「プーチンのゲーム」と題し、ソチ五輪をめぐる開発利権や汚職などの問題点を報告する番組を制作。その中で、ソチのパホモフ市長にもインタビューした。
BBC電子版によると、記者は「ソチではゲイの人たちは自身の性的指向を隠さざるを得ないのか」と質問。市長は「(ソチがある)カフカス地域ではそんなこと(同性愛を公言すること)は許されない。それにソチにはゲイはいない」と答えた。
(朝日新聞デジタル「ソチ市長『ソチにゲイはいない』 BBCの取材に」 2014/01/27 19:46)
ロシアでは性的少数者の差別につながる恐れのある法律が昨年成立し、世界各地でボイコット運動が起きた。NHKは次のように伝えている。
ロシアでは去年、同性愛者による集会の禁止や、未成年者に対して同性愛の情報を伝えることを禁止する法律が成立しており、欧米各国や人権団体から批判が高まっています。
(中略)
ソチオリンピックを巡っては、アメリカのオバマ大統領をはじめ、ドイツやフランスなど欧米各国の首脳が開会式を欠席すると表明していますが、同性愛者に対する差別などロシアの人権問題に抗議の意思を示すためとみられており、こうしたなかでの市長の発言はさらなる波紋を呼ぶものとみられます。
(NHKニュース「ソチ市長『同性愛は受け入れられない』」 2014/01/28 13:42)
安倍晋三首相は、開会式に出席する方向で調整している。
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