脱原発を支持する層の票が割れるのを防止するのが狙いだが、両陣営とも候補者の一本化を否定。宇都宮氏の支援を表明している政治活動家の三宅洋平氏も自身のブログで「細川さんには申し訳ないが宇都宮さんと比べて100倍くらいの距離を感じてしまう」として一本化に向けた調整を辞退した経緯を明かした。
■市民団体の申し入れを両陣営が拒否
ルポライターの鎌田慧さんが共同代表を務める市民団体「脱原発都知事を実現する会」が15日、両陣営に対して一本化を求める申し入れ書を送っていたが、両陣営とも候補者調整を否定。一本化は不調に終わった。日刊スポーツが以下のように報じている。
宇都宮氏の陣営関係者は「脱原発以外の政策は細川氏と合わない」と言い切り、本人も「一本化は絶対あり得ない」と否定。細川氏の陣営も「いかなる政党、団体とも提携しない」として「候補者調整には応じかねる」と回答した。
(日刊スポーツ「“脱原発”候補一本化の申し入れ不調」2014/1/18 20:33)
■三宅洋平氏、一本化調整を断る
一本化に向けた打診の依頼は、宇都宮氏の支援を表明しているミュージシャンで政治活動家の三宅洋平氏のところにもあったという。だが彼は、要請を断った。その理由について以下のようにブログで書いている。
宇都宮さん支持を表明している僕のところへも、
「なんとか宇都宮さんに降りてもらえるように頼んで欲しい」
という依頼もきました。
しかし、
・まず細川さんの事を知らない
・「脱原」以外の政策もまだ伝わってこない
・今から細川さんを知るには、公示まで時間がなさ過ぎる
・小泉さんがやってきた事を僕は忘れられない
郵政民営化をはじめとする自由化という名の国の明け渡し、
イラクへの自衛隊派遣(戦争ができる国作りの端緒を切った)、
辺野古のV字滑走路にGOを出した時の首相も小泉さん。
といったような状況で、
・小泉さんたちの背後にシェールガス利権などが噂されているが、
今のところ僕の中で「脱原発」以降のエネルギーシフトが
再びそうした「メガ」な方向へ行く事が適切だとは思えない。
・これから何年かかろうと「市民」がもっと密接に政治に関わっていく
社会を作っていくという僕の目的の上で、細川さんには申し訳ないが
宇都宮さんと比べて100倍くらいの距離を感じてしまう。
といった理由からお断りさせていただきました。
細川氏の脱原発以外の政策は不鮮明なことに加えて、背後にいる小泉純一郎元首相のこれまでの政治姿勢への警戒感が強く表れた格好だ。民主党、結いの党、生活の党が細川氏を支援する方向だが、正式な出馬会見は告示日前日の22日に延期された。各候補者の討論会も18日に予定されていたが、細川氏が辞退したことで開催が見送られている。
【※】都知事選は、脱原発を訴える候補を細川氏と宇都宮氏のうちどちらか一人に一本化した方がいいと思いますか?コメント欄にご意見をお寄せください。
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