小野田寛郎さんが亡くなっていたことが、1月16日に分かった。戦争が続いていると信じ、太平洋戦争終了後も29年間、フィリピン・ルバング島のジャングルで潜伏を続けた元陸軍少尉だ。朝日新聞デジタルなどが報じた。
フィリピン・ルバング島のジャングルで、太平洋戦争終了後も29年間、潜伏し、生還した元陸軍少尉の小野田寛郎(ひろお)さん(91)が16日午後4時29分、東京都内の病院で死去した。6日から肺炎のため入院していたという。葬儀は未定で、親族による密葬を予定している。
(朝日新聞デジタル「元陸軍少尉の小野田寛郎さん死去 ルバング島から帰還」より 2014/01/017 09:37)
小野田さんは和歌山県で生まれ、1944年(昭和19年)に情報将校としてフィリピンへ派遣された。終戦後も任務解除の命令が届かなかったため、ルバング島の密林に潜伏し続けた。1974年に元上官らの任務解除命令を受けて救出され、3月12日に日本に帰国した。
小野田さんは帰国後の1982年、ルバング島での経験を基に「小野田自然塾」を開設。自然の大切さや、目的を持ってたくましく生きることなどを青少年に教えていた。戦場を撮り続けるフォトジャーナリストの嘉納愛夏さんは、ハフポスト日本版で小野田さんから「目的を持って生きること」の大切さを学んだと述べている。
「人間、目的がないと生きられない」と教えてくれたのはルバング島で戦争中から終戦を知らずに30年を生き抜いた小野田寛郎(おのだ・ひろお)さんだった。
私が思うに、貧しい国の人々は食べることが目的だから生きられる。独裁下にある人は自由を求めることが目的だから生きられる。
先進国は食べられるし自由もあるし贅沢言わなければ仕事もなんだってあるから、それ以上の目的が必要となってくる。だけど目的が見つからず、本当は食べられるだけでもものすごく幸運なのに、不幸に思えて色んなプレッシャーで自殺してしまう人は多い。死なないまでも、どんよりと生きている人もいる。人はいつか必ず死ぬ。日本人として生まれたからには、小さくてもいい、目的を探して輝きながら生きていきたいものだと思う。
(ハフポスト日本版『フォトジャーナリスト・嘉納愛夏が歩いた戦場 「そこに、あなたがいた」 現地で教えられた「人間、目的がないと生きられない」』より 2014/01/04 18:22)
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