日本テレビのドラマ「明日、ママがいない」に対して、熊本市の慈恵病院が放送中止を要請することが、1月16日に明らかになった。「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与え、人権侵害だ」というのが理由だ。
慈恵病院では、親が育てられない子供を匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置しており、同じく「赤ちゃんポスト」が出てくる番組内容が「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与え、人権侵害だ」としている。
病院側の批判について、スポニチが次のように報じている。
ドラマ内で「赤ちゃんポスト」に預けられた子に「ポスト」というあだ名が付けられており、慈恵病院は「預けられた子どもを傷つけ、精神的な虐待、人権侵害になる」と批判した。養護施設の描写にも「職員が子どもに暴言を吐き、泣くことを強要するなど現実と懸け離れたシーンが多すぎ、誤解や偏見、差別を与える」と指摘。近く口頭と文書で、放送中止を要請するとともに、ドラマ制作経緯の説明を求める。
(スポニチ『熊本・慈恵病院「人権侵害」と日テレにドラマ中止要請』2014/1/16 17:17)
「明日、ママがいない」は、人気子役の芦田愛菜さん(9)が主役を務める連続ドラマ。15日に放送された第1回の視聴率は、関東地区で14.0%と好スタートを切った。
親と離ればなれになった子供たちが暮らす児童養護施設を舞台に、子供たちが懸命に生きる姿を描く物語。芦田さんは子供たちのリーダー的存在で「ポスト」と呼ばれる少女を演じている。公式サイトによると、第1話の導入部のあらすじは、以下のようなものだった。
母親の涼香(酒井美紀)が事件を起こして警察に逮捕されてしまったため、一軒の児童養護施設に預けられることになった少女・真希(鈴木梨央)。真希は、児童相談所職員の叶(木村文乃)から不気味な風貌の男・佐々木(三上博史)に引き渡され、“コガモの家”という名の施設に連れて行かれる。
佐々木が施設長を務めるコガモの家は、不穏な雰囲気を漂わせる場所。そこで真希は、3人の少女と出会う。みんな、それぞれの事情で実の親と暮らせなくなった子供たちだった。子供たちは本当の名前を名乗らず、あだ名で呼び合っていた。ピアノが上手なピア美(桜田ひより)、家が貧しいボンビ(渡邉このみ)。そして、ポストと呼ばれる少女(芦田愛菜)。
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