韓国政府が、旧日本軍による慰安婦問題を国連文化教育機関(ユネスコ)の「世界記憶遺産」に登録を推進するという。韓国の女性科学部(省に相当)が1月14日、明らかにした。韓国の聯合ニュースは以下のように伝えている。
同部関係者は「韓国や中国、東南アジア、日本などにある慰安婦関連資料の現況を調査している。今年末までに作業を終わらせ、来年文化財庁に世界記憶遺産の登録申請対象として提出する計画」と話した。
(中略)
同部は中国、東南アジアの国家など旧日本軍の慰安婦に関連し被害を受けた当事国、慰安婦問題に取り組む日本国内の市民団体などと連携し、共同で登録を申請することも検討している。
(聯合ニュース『「慰安婦記録」 世界記憶遺産登録推進へ=韓国』より 2014/01/15 09:03)
また、韓国政府は、慰安婦問題を国際社会に広く訴える戦略の一環として、1月30日からフランスのアングレームで開かれる世界最大級の漫画イベント「アングレーム国際漫画祭」に、慰安婦問題をテーマにした企画展を、韓国漫画映像新興院の主催で開催。慰安婦問題を描いた漫画約20作品と映像4作品を出品する。
女性家族部のプレスリリースによると、今年は第1次世界大戦開戦から100年にあたるため、戦争や戦時中の女性への性暴力などをテーマにした作品が多く展示され、慰安婦問題の企画展もその一環という。
女性部長官は以下のように述べている。
「今回出展される漫画を通じて、慰安婦の悲劇と戦時性暴力の問題の深刻さが広く知られ、世界の人々の心を動かし、元慰安婦には勇気と慰めを与え、当事国を含め私たちすべてに希望を伝える契機になることを期待する。私たちがこの問題を正しく解決しなければ、戦時・紛争地域の性暴力を終わらせるための私たちの声は力を失うことになり、私たち皆が力を一つに合わせなければならない」
(女性家族部「報道資料」)
世界記憶遺産は、日本では3件が登録されている。
世界記憶遺産
国連教育科学文化機関(ユネスコ)が主催する遺産事業。「世界の記憶」「記憶遺産」とも呼ばれる。文書、絵画、楽譜、映画など世界各国で保管されている歴史的に貴重な史料を登録・保護し、後世に伝えることを目的としている。登録された史料はデジタルデータにして保存され、広く一般に公開される。1992年にスタートし、ユネスコの国際諮問委員会が2年に1度、審査を行っている。2013年6月現在、フランスの「人権宣言」、オランダの「アンネの日記」など299点が登録されている。日本からは、炭鉱絵師・山本作兵衛の作品群、スペインと共同推薦した「慶長遣欧使節関係資料」など3件が登録されている。( 2013-6-20 )
(コトバンク「世界記憶遺産 とは」より )
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