「普天間基地の辺野古移設は断念すべき」とした意見書が、沖縄県議会で可決された。野党提案による意見性が可決されるという異例の事態だ。
仲井真弘多知事は12月27日、米軍普天間基地を移設するために政府から申請された辺野古沿岸部の埋め立てを承認。これに対し沖縄県議会は、社民・共産など野党4会派から提出された辺野古移設意断念を求める意見書を、1月10日に開いた臨時本会議で可決した。NHKニュースが報じた。
意見書では、普天間基地について、「返還合意から17年が経過してなお、市民、県民の命を危険にさらして放置された現状は、見通しのない硬直した日米合意に執着する政府の不作為と思考停止がもたらした『固定化』だ」と指摘しています。
そのうえで「圧倒的県民の声を封殺し、さらに長期にわたってアメリカ軍基地を押しつける辺野古移設を進めれば、民意を踏みにじる政府への怒りは頂点に達する」として、政府に対し、移設を断念し普天間基地の閉鎖と撤去を速やかに実現するよう求めています。意見書は、採決された結果、野党と公明党などの賛成多数で可決されました。
(NHKニュース「辺野古移設断念を 意見書可決」より 2014/01/10 18:17)
時事ドットコムによると、採決で与党・自民党は反対したが、中立会派の地域政党「そうぞう」は退席したという。
意見書は辺野古埋め立てに環境保全上の懸念があるという理由から、「承認に値するものではない」と指摘していた。仲井真知事は公約で普天間基地の「県外移設」を掲げてきたこともあり、野党側は公約撤回の責任を取るべきであるとして、知事に辞任を求める決議も提案した。
なお、1月19日には、辺野古沿岸部を含む名護市の市長選挙の投開票が行われる。出馬を表明しているのは、現職で再選を目指す稲嶺進氏と、自民党が推薦する新人の末松文信氏。稲嶺氏は4年前の初当選時代から辺野古への移設に反対しており、市が管理する港湾や河川の使用を許可しないなどの手法で、移設を阻止する構えを見せている。
名護市の稲嶺進市長は9日の定例記者会見で、同市辺野古への米軍普天間飛行場の代替基地建設計画について「市域を管理し、市民の生命財産を守る責務から市長としての管理権が及ぶ。阻止できると思う」と述べ、市長の権限を行使して建設工事を阻止できるとの認識を示した。
(琉球新報「稲嶺名護市長「権限で阻止」 辺野古埋め立て工事」より 2014/01/10)
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