南アメリカのエクアドルを新婚旅行で訪れていた日本人夫婦が襲われ、夫が死亡、妻が重傷を負ったことが1月4日に分かった。12月28日に、同国最大の都市「グアヤキル」で8人組のグループに銃で撃たれた模様だ。47NEWSが以下のように伝えている。
地元警察の発表によると、夫はヒトミ・テツオさん(28)で3発撃たれ死亡。妻はマリコさん(27)で腹と右脚を撃たれた。警察は強盗殺人事件として調べている。大使館は「家族の承諾が得られていない」として夫妻の氏名や年齢、出身地を公表してない。
(47NEWS「新婚旅行の邦人夫妻、銃撃で死傷 南米エクアドル、強盗目的か」2014/01/04 06:40)
エクアドル警察は、2人がタクシーに乗車後に襲われていることから、タクシーの運転手が犯行に関わった可能性があると見て行方を追っている。NHKニュースが、こう報道している。
警察によりますと2人は28日の午後10時過ぎにレストランで夕食を済ませ、通りを走っているタクシーに乗り込み、午後11時半ごろに市内の道路脇でタクシーから女性が降ろされ銃で撃たれるのをそれぞれ目撃した人がいるということです。
警察は、2人がタクシーに乗っている間に銃を持った8人以上のグループが金品を奪うために2人を襲ったとみているほか、タクシーの運転手が事件に関わった可能性もあるとみて運転手の行方を追っています。
(NHKニュース「エクアドル日本人殺傷 運転手の行方を捜査」2014/1/04 12:00)
中南米では、ターゲットを一時的に拉致して現金自動預払機(ATM)などで現金を引き出させて、すぐに逃走する犯行が多い。その手口から「特急誘拐」(短時間誘拐)と呼ばれている。今回もそうした犯行だった可能性が出ている。一般社団法人の「日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)」ではメキシコでの特急誘拐の手口について、次のように報告している。
犯人グループ(6~9人)が2~3台の車に分乗し、ターゲットの車の後をつけ、その車が信号などで一旦停止した際に無理矢理乗り込んで、その車の運転手を拳銃で脅かし、殴りつけて顔を見られないようにします。そして、被害者の所持品すべてを要求し、キャッシュカードの暗証番号を聞き出し、そのカードを使って現金を引き出します。さらに、被害者の住所や、自宅にいくら現金があるか高価な品物があるかなどを聞き出して、被害者の携帯電話を使って被害者の家族に連絡し、聞き出した現金や高価な品物を要求します。最近では、犯人グループに女性1~2人が入っている場合が多いです。
エクアドルではタクシー利用中の犯罪被害が絶えず、運転手が共犯で特急誘拐に及ぶケースもあるという。日本の外務省では「流しのタクシーは利用しない」ことを勧める警告を出していた。
正規のタクシーであっても,道路を通行中の空車タクシーを呼び止めて利用することは極力しないでください。運転手が強盗等と共犯であるケースがあり,移動中に運転手が共犯者と連絡を取り合い,途中で犯人がタクシーに乗り込んで強盗・短時間誘拐に遭うケースが増加しています。
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