安倍晋三首相は就任1年を迎えた12月26日午前、東京・九段の靖国神社を参拝した。靖国神社を参拝するのは首相就任後、初めて。NHKニュースなどが報じた。安倍首相は第一次安倍内閣で参拝しなかったことを「痛恨の極み」と語り、参拝に強い意欲を示していたが、中国、韓国などから反発は必至だ。
安倍首相は参拝後、報道陣に対し「残念ながら靖国神社参拝が、政治外交問題化しているが、その中で、政権が発足して1年、安倍政権の歩を報告し、再び戦争の惨禍で人々が苦しむことがないようにお近い申し上げた。靖国参拝はいわゆる戦犯を崇拝する行為であると誤解に基づく批判があるが、1年間の歩みを報告し、二度と戦争の惨禍によって人々が苦しむことのない時代をつくるという決意をお伝えするためにこの日を選んだ」などと述べた。中国、韓国に対しては「理解していただきための努力をこれからもしていく。謙虚に礼儀正しく誠意をもって対応し、対話をもとめてまいりたい。ぜひこの気持ちを直接説明したい」と話した。
安倍総理大臣は、去年12月26日の総理大臣就任から1年がたった26日午前11時半に東京・九段の靖国神社に参拝することになりました。
安倍総理大臣が、総理大臣在任中に靖国神社に参拝するのは、第1次安倍内閣を含めて初めてです。
(NHKニュース「ニュース安倍首相 靖国神社に参拝へ」2013/12/26 10:58)
現職の首相が靖国神社を参拝するのは2006年8月15日に当時の小泉純一郎首相が参拝して以来。安倍首相は2013年の春と秋の例大祭のときは靖国神社は参拝せず、「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納。終戦記念日の8月15日には私費で玉串料を納めている。
安倍首相は「国のために戦い、倒れた方々に対し、手を合わせ、尊崇の念を表し、ご冥福をお祈りするのは当然だ」と話していた。また、第一次内閣で参拝しなかったことを「痛恨の極み」と語り、かねてから在任中の参拝に強い意欲を示していた。今回、靖国神社参拝の決断に踏み切った理由について、MSN産経ニュースは次のように報じている。
「痛恨の極みとまで言った以上、その発言は重い。戦略的にも考えている」
首相は25日夜、周囲にこう語り、靖国参拝の可能性を示唆していた。10月半ばにも周囲に「年内に必ず参拝する」と漏らしていた。(中略)
戦没者をどう慰霊・追悼するかはすぐれて内政問題であり、東アジア地域で波風が立つのを嫌う米国も表立った反対や批判はしにくい。米国とは安全保障面や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など経済面での関係を強化しており、首相は反発は一定レベルで抑えられると判断したとみられる。
(MSN産経ニュース「安倍首相、きょう靖国参拝 政権1年、就任後初」2013/12/26 10:26)
※安倍首相の靖国神社への参拝について、皆さまのご意見お聞かせください。
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