北朝鮮の金正日総書記が死去して12月17日で丸2年になる。事実上のナンバー2とみられていた張成沢(チャンソンテク)・前国防委員会副委員長の処刑で国際社会が体制の動揺を不安視する中、北朝鮮は金一族の血統をよりどころに、金正恩第1書記を中心とする「唯一指導体系」の体制固めを急いでいるように見える。
平壌では金正日氏の追悼大会が開かれている。NHKによると、処刑された張成沢氏の妻で、金正恩氏の叔母にあたる金慶喜書記は姿を見せなかった。
キム総書記の妹であるキム・ギョンヒ書記は、健康問題がたびたび取り沙汰され、ことし9月10日を最後に国営メディアでの動静報道が途絶えています。
キム・ギョンヒ書記は、夫が粛清されたあとも政治的に健在であることは、すでに確認されていますが、キム総書記の追悼大会に姿を見せなかったことで、健康不安説がさらに強まりそうです。
(NHKニュース「北朝鮮 粛清幹部の妻 追悼大会姿見せず」より 2013/12/17 11:33)
12月17日付の労働新聞(電子版)は、16日に開かれた軍人による「誓いの集会」の模様を報じた。それによると、金日成主席、金正日総書記の遺体が安置されている平壌・錦繡山太陽宮殿前の広場を軍人が埋め尽くした。それによると、張氏の処刑を巡り政権中枢での影響力が増しているとみられる崔竜海(チェリョンヘ)・軍総政治局長が「偉大なる将軍様の遺訓を守り、敬愛する最高司令官同志を、団結の唯一の中心、指導の唯一の中心として高く掲げ、決死で守り抜く」と演説した。
また、FNNニュースによると、金総書記の銅像が建つ市内の丘で大勢の市民らが献花した。
この日の労働新聞は、1面に金正日総書記をたたえる社説を全面にわたって掲載、2面は生前の写真で埋め尽くした。
一方、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は12月16日の記者会見で、張氏の処刑について初めてコメントし、関係各国に自制を呼びかけた。
処刑について潘氏は「驚くべき報道が(北朝鮮から)もたらされた」と述べ「朝鮮半島をめぐる全ての関係当事者は、性急な行動を取らないよう求める」と話した。今後の見通しについては「推測するのは時期尚早だ」として詳しい言及を避けた。
(47NEWS「「北」周辺国に慎重行動求める 張氏処刑で国連事務総長」より 2013/12/17 08:35)
時事通信によると、韓国の金寛鎮(キムグァンジン)国防相は12月17日、北朝鮮が2014年1月下旬から3月上旬の間に「軍事挑発を行う可能性が高い」と発言した。
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