12月7日、「交際を続けなければ裸の写真をばらまく」と元交際相手の女性を脅したとして、警視庁は強要未遂の疑いで容疑者の男性を逮捕した。NHKニュースなどが報じている。
逮捕されたのは東京・青梅市の無職、坂本龍馬容疑者(30)です。警視庁の青梅警察署によりますと、坂本容疑者は、数年間交際していた30代の女性から別れ話を告げられたことに腹を立て、先月29日から今月4日までの間、4回にわたって「2人でいたときに撮った裸の写真や映像をばらまくぞ」などと女性を脅し、無理やり交際を続けさせようとしたとして強要未遂の疑いが持たれています。
(NHKニュース「“リベンジポルノ” 脅した容疑で逮捕」より 2013/12/07 16:33)
インターネット、スマホの普及を背景に、交際相手の写真や動画を脅す行為は「リベンジポルノ」と呼ばれる。10月、東京・三鷹の女子高生が元交際相手に刺殺される事件が起きたことで、メディアでも問題視されるようになった。
アメリカではカリフォルニア州でリベンジポルノを禁じる法律が10月に成立。他の州も追従する動きがある。
10月1日に同州のブラウン知事が署名して成立した法律では、別れた相手の裸の写真や動画を相手の同意なく公開する行為を違法とし、最高6カ月の禁錮刑と最高1千ドル(約9万7千円)の罰金を求めている。
同意の上で撮影された写真でも、写った人の了解なく公開されれば処罰の対象となるという。
同様の法律はニュージャージー州がすでに制定し、ニューヨーク、ウィスコンシン両州で検討されているという。
(MSN産経west「【大阪から世界を読む】破局後の復讐「リベンジポルノ」の卑劣、罰則新法設けた米国…陵辱、恐喝、日本でも“猛威”」より 2013/11/07 07:00)
日本の対応はどうか。日本の現行法では今回の事件で適用された強要罪のほか、脅迫罪、わいせつ物公然陳列罪、名誉棄損罪で処罰されるという。
刑法の脅迫罪(最高刑懲役2年)、強要罪(同3年)、わいせつ物公然陳列罪(同2年)のほか、写真や動画の内容によっては名誉毀損罪(同3年)で処罰される。被害者が18歳未満の場合は児童買春・児童ポルノ禁止法の公然陳列罪(同5年)に問われる。7月施行の改正ストーカー規制法では、執拗(しつよう)にメールを送ることも「つきまとい行為」の対象に加えられた。
(MSN産経ニュース「【ネットろんだん】リベンジポルノ 「恨み」の拡散、スマホで加速」より 2013/11/08 11:00)
一方で、これでは不十分として、新法の設立を求める声もある。
現行法では、わいせつ物頒布罪や名誉毀損(きそん)罪などが適用されるが、女性の被害者意識とのバランスが取れているとは言い難い。
自民党の三原じゅん子女性局長も「女性の一番見られたくない姿を流出させるなんて許せない。新たな法整備が必要」と訴えている。
(MSN産経ニュース「卑劣な「リベンジポルノ」 海外では罰則も…ネット流出なら被害深刻」より 2013/12/07 19:52)
だが、現実的には一度ネットに投稿され、拡散されたデータは世界中のサーバーに格納され、そのすべてを消し去ることは難しい。撮らない、撮らせない、といった情報リテラシー教育の必要性もまた議論の的となりそうだ。
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