これまで無期限で同じ仕事場で働くことができたのに、3年で辞めなくてはいけなくなるかもしれない――。
厚生労働省は11月28日、労働者派遣法の見直しを議論する審議会において、1人の派遣社員が同じ職場で働ける期間を、最長3年とする考えを示した。現在はソフトウェア開発やWebデザインなど特定の仕事については、期限がない。これを見直し、業種にかかわらず上限を、3年とするという。朝日新聞デジタルが報じた。
労使の代表が参加して28日開いた厚労省の審議会に、現行ルールをやめる同省案が示された。同案によると、通訳や秘書など「専門26業務」以外では最長3年しか派遣に仕事を任せられない仕組みを廃止する。一方、1人の派遣労働者が同じ職場で働ける期間を最長3年とする。
派遣期間の制限を「業務ごと」から「働き手ごと」に改めることで、最長3年で交代させれば、専門業務も含め、どんな仕事でもずっと派遣を活用できる。正社員の職場が狭まる恐れから、派遣先の労働組合が反対すれば、一定期間、受け入れない仕組みもつくる。
(朝日新聞デジタル「派遣労働、全ての職種で無期限に 厚労省が法改正の方針」より 2013/11/28 17:24)
派遣期間の制限については、有識者等で構成される「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」が今年8月、派遣期間に期限がない26業種かどうかにかかわらず上限を設定すべきであると、厚生労働省に最終報告書を提出している。
最終報告書では「時代が変わり、専門性の判断が難しくなった」として「26業務」の区分を廃止し、他の業務と同じく最長3年の制限を設けることを提言している。厚労省側はその意図を「最大3年ごとに職場を変えることで、派遣の方にキャリアアップを図ってもらえる」と説明する。
( MSN産経ニュース「TV業界、戦々恐々 派遣労働見直しで最長3年」より 2013/9/24 08:26)
一方、企業側から見ると、原稿では3年以上は同じ仕事を派遣社員に任せることができなかったが、これを、働き手さえ変われば、引き続き派遣社員に任せることができるとしている。
【※】派遣期間の上限を変更することについて、あなたはどのように考えますか。ご意見をお寄せください
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