9月、韓国で旭日旗など日本の戦中・戦前の帝国主義を象徴するものを禁ずる刑法の改正案が提出された。この改正案が施行されれば、サッカー日本代表の新しいユニフォームが取り締まりの対象になる可能性があるという。中央日報が報じた。
セヌリ党の孫仁春(ソン・インチュン)議員は今年9月、旭日旗をめぐって日本の帝国主義を象徴する徽章・服などを国内で製作したり流布したりする場合1年以下の懲役や300万ウォン以下の罰金に処するようにする刑法改正案を発議した。孫議員側の関係者は「早ければ来年2〜4月に法案が通過される可能性がある」として「法案が通過されれば(今回製作された)日本のユニフォームも取り締まり対象になるだろう」と説明した。
(中央日報「<サッカー>旭日旗を連想…ブラジルW杯の日本ユニフォーム“不快”」より 2013/11/14 09:27)
日本代表の新ユニフォームをめぐっては、正式発表前にもスペインのサイトで画像が掲載され、「旭日旗に似ている」と韓国で一部話題になっていた。それに対し、ハフポスト日本版にも反発する声が寄せられているほか、中国の掲示板でも「過剰反応だ」などと書き込みされているという。
中国人ネットユーザーらも、韓国側の主張にはあきれたようで、「韓国にとっては放射状のものはみな旭日旗に見えるんだな」などのコメントが並んだ。さらに、「韓国人は日本絡みであれば何でも大騒ぎする」などと過剰反応であると指摘する意見も見られた。
(サーチナ「【中国BBS】韓国が旭日旗めぐって日本に難癖…「理解不能」」より 2013/11/09 13:52)
ユニフォームを制作したアディダス・ジャパンは、問題になっている左胸にある放射状の線について、円陣を組んだ後にピッチに広がる選手を表現しているとして、旭日旗との関連に触れていない。なお、もっとも一般的な旭日旗には16本の線が描かれている。
ユニフォームの左胸には、エンブレムを中心に拡がる11本のラインを採用。「円陣」を組んだ後、試合開始に向けてピッチへと広がる選手を表現しています。
(アディダスジャパン「サッカー日本代表 新ユニフォーム」)
一方で日本でも、新ユニフォームのデザインを「ライジングサン」、つまり旭日旗の意匠に通じるデザインだと表現しているメディアもある。
胸のエンブレムから放射線状の透かし模様、ソックスには赤いグラデーションが入っており、明るい未来を照らす“ライジングサン”を連想させる。
(スポニチ「日本代表新ユニは“ライジングサン”12月に正式発表を予定」より 2013/10/16 06:00)
この問題に横たわっているのは、旭日旗に対しての認識のズレだ。韓国は旭日旗を「戦犯旗」と呼び、日本の軍国主義の象徴と捉えているが、日本は政府が使用を問題なしとする方針を作成中、と8月に報じられるなど溝は深い。
この問題を報じた中央日報も、もし国際的に使用を禁ずるならば国際社会に訴えなければならない、との専門家のコメントを掲載している。
だが、現実的には処罰は容易ではない。ナチスドイツの象徴物として広く知られたハーケンクロイツ(卍を裏返した形)とは違い、旭日旗については国際社会の認識水準が低いためだ。旭日旗を日帝侵略の象徴と認識する国は韓国や中国ぐらいだ。韓国スポーツエンターテインメント法学会会長であるチャン・ジェオク中央(チュンアン)大法学大学院教授は「国際舞台で戦犯旗を形象化したユニフォームを着たと処罰するのは、現実的に不可能だ。防ごうと思うならば体系的かつ持続的にアプローチしなければならない。日本から被害を受けた周辺国の共感を得ることが先決だ」と話した。
(中央日報「<サッカー>旭日旗を連想…ブラジルW杯の日本ユニフォーム“不快”」より 2013/11/14 09:27)
※みなさんは、韓国の旭日旗使用の法規制や、日本代表のユニフォームについてどう思いますか?ご意見をお聞かせください。
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