安倍政権が今国会で成立をめざす特定秘密保護法案に反対する超党派議員らが11月14日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見をした。出席した無所属の山本太郎参議院議員は「もう今の時点で秘密保全できている」「国民を弾圧するため、言論を弾圧するために考えられている法律。行き着く先はファシズムでしかない」などと持論を展開。「特定秘密保護法は一部政治家と官僚のクーデターだ」などと主張した。
会見には山本氏のほか、福島みずほ参院議員(社民党)、仁比聡平参院議員(共産党)、主濱了参院議員(生活の党)が参加した。
山本氏は、ベトナムへの原発輸出で実施される現地調査について質問をするため、資料を請求したところ「ほとんど黒塗りの資料」が寄せられたと資料を示し、「もう今の時点で秘密保全できてますよね、完全に」と述べた。
みなさんに見ていただきたい書類があるんですけれども、ほとんど黒塗りなんですよね。黒いところしかない、というくらいの勢いなんですよね。
これは何なのかというと、ベトナムに原発を輸出すると、そのときに現地で調査が行われ、それには25億円の税金が使われている。そのうちの5億円は復興予算が使われている。被災地の人たちに手をさしのべるための復興予算をどうしてベトナムの原発輸出、現地調査に使うんだと。
そのお金どういう風に使ったの、一体どういう内容なんですかということを質問するために資料を請求したら、このような黒塗りなんですよ。
もう今の時点で秘密保全できてますよね、完全に。完璧だと思うんですよ。今に始まったことではない。
また、福島第一原発事故後、緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)の情報が住民らに適切に提供されなかったとして「国民を被曝させてまでも情報を隠蔽しようとする体質。この上にこのような法律が出来てしまったら、一体どんな国になってしまうんだろうと思う」と述べた。
例えば、原発の事故がありましたというときにも同じようなことがありました。
放射性物質がどのように大気中に拡散するのかというシステムがこの国にはあるんですよね。SPEEDI(スピーディ)というものなんですけれど、これ100億円以上の税金を使って作られたシステムです。どうしてそういうシステム作るのかというと、有事に、もしものときにこの国に住む人が被曝しないように、そのようなシュミレーションができるように作られたのに、実際、事故があったときには、発表されず(情報を)隠した。
しかし、3日後には米軍にこの情報を提供した。だけど、この国に住む人は提供しなかった。アメリカ軍は被曝しては困るけれど、この国に住む人は被曝しても構わないという態度だった。
すでに情報は隠蔽されて、外国政府との情報交換は完璧にされるわけです。自分たちの国に住む人たちを被曝させてでも。そのような状況の中で、今どうしてこのような法律が必要なのか。
国民を被曝させてまでも情報を隠蔽しようとする体質、この上にこのような法律が出来てしまったら、一体どんな国になってしまうんだろうと思う。
「特定秘密保護法というのは一部政治家と官僚のクーデターだと思う」。山本氏は「安全保障というのは表向き。これは警察権力、公安権力の拡大を目指している」との持論を述べ、「結局は国民を弾圧するため、言論を弾圧するために考えられている法律だ」と主張した。
結局は国民を弾圧するため、言論を弾圧するために考えられている法律だということはわかりきったことなんです。今、力を持っている権力者、時の権力者に異を唱える者は片っ端から弾圧していくぞと。もっとコントロールしやすいようにこの国を作り替えようと。
行き着く先は何か。それはファシズムでしかない。いま僕たちはそういうところに立っていると思います。
特定秘密保護法というのは一部政治家と官僚のクーデターだと思っています。
特定秘密保護法案をめぐっては、与野党が修正協議に入ったが、このことについて山本氏は「修正協議で時間が稼げるなら、どんどん稼いでいただきたい。ドラキュラと同じ存在。日にさらしたら勝ち。多くの人がこの危険性を知ったときには止まると思う」と述べた。
日本外国人特派員協会は特定秘密法後法案について「ジャーナリストに対する起訴を可能にする条文が含まれている」とする声明を発表。廃案か大幅な修正を求めている。
声明では、報道の役割を「政府の活動に関する秘密を明らかにして市民に伝えること」と強調。「民主主義の基本である抑制と均衡のシステムに不可欠だ」とした。
その上で、法案には拡大解釈の余地があるとし、「政府にジャーナリストを意のままに逮捕する権限を与えることになる」との懸念を示した。
(時事ドットコム「秘密保護法案の廃案要求=外国特派員協会が声明」2013/11/11 18:19)
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