外務省は11月4日までに、従軍慰安婦の問題について韓国の対応を批判する文書をまとめた。1965年に「解決済み」なのに韓国が90年代前半に態度を変更したことを指摘している。MSN産経ニュースが報じた。
日本外務省は4日までに「最近の韓国による情報発信」と題した文書をまとめ、慰安婦問題について「(昭和40年の)日韓請求権・経済協力協定に基づき『完全かつ最終的に解決済み』であるにもかかわらず、韓国側は請求権協定の対象外としている」と、韓国政府を批判した。
文書は「慰安婦問題がクローズアップされはじめた1990年代前半以降、韓国側は、慰安婦問題は日韓請求権協定の対象外であるとの立場を表明」として、韓国がそれまでの態度を変更したことを指摘した。
(MSN産経ニュース「慰安婦問題で韓国批判 外務省文書 請求権、態度変えた」より 2013/11/05 07:11)
文書では、韓国憲法裁判所が2011年8月、元慰安婦らの個人の請求権問題を日本政府と交渉しないのは「憲法違反」とし、韓国政府に交渉を求める判決を下したことに言及。この判決により「慰安婦問題への注目が高まり、米国における慰安婦記念碑の設置の動きなどが活発化」したとしている。
日本政府は、慰安婦問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場だ。安倍首相は10月18日、慰安婦問題について以下のように述べ、あらためて政治問題、外交問題化させるべきではないの意向を表明していた。
「筆舌に尽くしがたい、つらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛む。私の思いは歴代首相と変わりない」と述べた。一方で「この問題を政治問題、外交問題化させるべきではないと考えている」との認識も改めて強調した。
(朝日新聞デジタル「朝日新聞デジタル:慰安婦問題「外交問題にすべきでない」 首相が答弁」より 2013/10/18 12:18)
最近では、当時の慰安婦の生活実態がわかる日記や文書などの資料が公になっている。
2013年8月、第2次世界大戦中にミャンマーとシンガポールの慰安所で事務の仕事をしていた朝鮮人男性の日記が、韓国で発見された。民間の売春婦があったことや慰安婦の生活実態がわかる資料だという。
第2次世界大戦中、ビルマ(現ミャンマー)とシンガポールの慰安所で事務の仕事をしていた朝鮮人男性の日記が韓国で発見された。慰安所職員の日記が見つかったのは初めて。
「文楽慰安所は私と一緒に来た朝鮮忠州の人・新井清次氏が経営している」と、慰安所を朝鮮人が経営していたことや、「慰安婦の金○先が送る600円を本人の貯金から下ろし、中央郵便局で送付した」と慰安婦に収入があったことも記述。
(時事ドットコム「時事ドットコム:慰安所職員の日記発見=日韓「極論」否定する内容も」より 2013/08/12 15:36)
MSN産経ニュースによれば、アメリカ戦争情報局資料「心理戦チーム報告書」(1944年)には、韓国人の慰安婦の生活や収入の様子が以下のように記されているという。
「慰安婦は客を断る特権を与えられていた」「(日本人兵士が)結婚を申し込むケースが多くあり、現実に結婚に至ったケースもあった」と書いている。雇用契約に関しては、慰安所経営者と慰安婦の配分率は50%ずつだが、平均月収は1500円だった(当時の下士官の月収は15円前後)。
(MSN産経ニュース「米側資料の慰安婦は「大金稼ぎ欲しいもの買えた」 韓国主張の性奴隷とは異なる風景」より 2013/11/05 09:20)
※外務省が「最近の韓国による情報発信」に関する文書をまとめました。外務省は韓国政府の対応を批判していますが、日本政府は今後、どのような対応を取るべきだと思いますか。ご意見をお聞かせください。
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