エジプト軍のクーデターによって大統領を解任され、殺人扇動罪で起訴されたムハンマド・モルシ氏の初公判が11月4日行われた。しかし、弁護人によると、モルシ氏が裁判の正当性を認めず「ライオンのように」振る舞ったため休廷となった。アルジャジーラが伝えた。
BBCによると、モルシ氏はこの裁判は違法だと主張し、法廷で「私は大統領だ!」と叫んだ。モルシ氏と、イスラム組織ムスリム同胞団のメンバー14人は2012年の大統領宮殿前で発生したデモ隊の殺害を扇動した罪に問われている。
モルシ氏は拘留中に着る白いユニフォームの着用を拒否し、スーツ姿で出廷。裁判の様子を時事ドットコムは次のように伝えている。
公判では囚人服の着用を義務付けられているが、これを拒否したモルシ氏は「力ずくでここに連れて来られた」と主張。「クーデターに加担するな」と裁判官を諭す一幕もあった。
ほえるモルシ氏側と検察側の応酬は激しく、法廷は混乱に陥った。裁判所は審理続行は不可能と判断し、中断を決めた。
(時事ドットコム「ほえるモルシ氏、法廷混乱=「私は大統領だ」-エジプト」2013/11/05 20:34)
ワシントン・ポストによると、裁判は2014年1月8日まで延期される。その後、モルシ氏はアレキサンドラにあるブルジュ・アル・アラブ刑務所にヘリコプターで移送された。
また、法廷の外でも、モルシ氏を支持するデモが行われた。NHKニュースは次のように伝えている。
デモに参加した女性は「暫定政府が弾圧を強めるほど、私たちは支持者を増やし、結束を固めていく。絶対に屈しない」と話していました。
ムスリム同胞団は5日にも全国で大規模なデモを呼びかけていて、モルシ氏が初公判で対決姿勢を示したことで、モルシ氏の支持者と暫定政府との対立が一段と深まるものとみられます。
(NHKニュース「エジプト モルシ氏裁判で全面対決姿勢」2013/11/05 4:46)
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