LINEやTwitterで個人へ執拗にメッセージを送ったり、インターネット上で人を誹謗中傷するなどの行為を新たに規制する、迷惑防止条例の改正案が千葉県で成立した。恋愛感情がなくても、嫌がる相手に連続でメールを送るとストーカーとみなされる内容も盛り込まれている。
千葉県議会は10月22日、県の迷惑防止条例の一部改正案を賛成多数で可決。具体的には次の9つの項目が、規制の対象となる。
① つきまとい・待ち伏せ・立ちふさがり・見張り・押し掛け
・あなたを尾行してずっとつきまとう。
・あなたの自宅や職場、学校などに押し掛ける。
② 監視等により行動を把握していることを告げる行為
・帰宅直後に「おかえりなさい」などと電話をしてくる。
・あなたのその日の行動や服装など、細々したことを電話や電子メールで告げる。
③ 面会などの義務のないことの要求
・面会を求めて、しつこくメールや手紙を送ってくる。
④ 虚偽の事項を告げる行為
・嘘をついて不安にさせる。
⑤ 乱暴な言動
・あなたに向かって、大声で「バカヤロー」などの粗野な言葉を浴びせる。
・電話をかけてきて、粗野な言葉で怒鳴り散らす。
⑥ 無言電話
・電話をかけてくるが、何も言わず、あなたに不安を感じさせる。
⑦ 連続電話・連続ファクシミリ・電子メール等の連続送信
・あなたが拒否しているにもかかわらず、何度も電話をかけたり、電子メールを送信してくる。
⑧ 汚物などの送付
・汚物や動物の死体など、あなたに不快感や嫌悪感を与えるものを自宅や職場に送りつけたり、玄関前に置いたりする。
⑨ 名誉を害する事項を告げる行為
・インターネットなどに、あなたを中傷するような文章を掲載する。
・あなたを中傷したり、名誉を傷つけるような内容を告げたり、文書などを届けたりする。
(千葉県警「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例(案)の概要」より。 2013/09/17)
スマートフォンの流行で、フェイスブックやTwitterなどのSNSサービスが流行。かつての同級生や地元の友達と再会したり、同じ趣味を持つ人と交流することなどが手軽にできるようになった。
しかし、これらのサービスを悪用する犯罪も多発しており、わいせつ写真などをインターネット掲示板に掲載するなどの被害も出ている。かつての交際相手や配偶者との関係が破たんした際に、腹いせにプライベートで撮った猥褻な写真などをばらまく「リベンジポルノ」の問題も出てきている。
また、今年7月に施行された改正ストーカー規制法では、連続メールの送信が規制の対象となったものの、恋愛感情のある場合のみが規制の対象であったため、好意があることを立証しなければならなかった。今回の千葉での条例改正は、恋愛感情の認定ができない嫌がらせなどを規制対象とすることができるようになり、また、インターネットでの問題にも対応できるものともいえる。
インターネットでの迷惑行為の防止規制について、あなたの考えをお寄せください。
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