ヤフーのEC出店料無料化のニュースが海外でも注目を集めている。楽天が優勢と報じるブルームバーグは、「孫と三木谷の勝負なら孫に賭ける」というコンサルタントのコメントも掲載している。どのような内容が報じられているのだろうか。
「孫vs三木谷」の行方に海外紙も注目
【EC出店料無料化】
ヤフー株式会社は、ショッピングサイト「Yahoo!ショッピング」、インターネットオークション「ヤフオク!」のストア出店料や一部手数料を10月の請求分から無料化する。
これは「Yahoo!JAPANストアカンファレンス2013」で明らかにされた。宮坂学社長ではなく、孫正義会長が登壇して発表したことから、いかに重要なものであるのかがうかがえる。
この発表を受けて、「Yahoo!ショッピング」および「ヤフオク!」の新規ストア出店希望数が一気に増加しているという。「Yahoo!ショッピング」では、発表後わずか一日で、法人では約10,000件、また今回新たに受付を開始した個人では約16,000件の申し込みがあったという。
【孫VS三木谷】
ブルームバーグはこのニュースを、孫氏と楽天の三木谷氏、両者の対決という構図で報じている。
「日本で二番目の資産家が三番目の資産家に攻撃を仕掛けた」との文章から始まるこの記事は、両者の顔写真付きで経歴や個人資産の比較などを交え、数値を挙げて両社の現状を分析。現時点では楽天が優勢であるとしている。
一方、「孫と三木谷の勝負なら孫に賭ける」とのコンサルティング会社社長の見解も掲載。同氏は、孫とジェフ・ベゾスは「世界で最も優秀なビジネスマン」であり、ぎりぎりのラインで経営する術を知っている、と評している。
今回の無料化については、「思い切った改革だ。確かに利用者とショップにとっては良いことだが、運営側にとっては収益の面でマイナスになるだろう」とのアナリストの声を伝え、同時に、今回の発表によって両社の株価が急落していることにも触れている。
【日本では依然Yahoo!】
なおYahoo!JAPANについては興味深いデータが先日発表された。国別の、最も訪問者数の多いサイトを、オックスフォード・インターネット研究所が公開したのだが、最も多くの国で訪問者数の多いサイトはGoogleで62ヶ国、次いでFacebookで50ヶ国だった。
しかし日本では、Yahoo!が一番となり、この調査結果を報じた英デイリーメール紙もその点をタイトルに含めている。世界の流れとは異なるこの結果は、孫氏の経営手腕によるものだと言えるのかもしれない。
【集まる注目】
孫氏については、米携帯大手スプリントを買収後に海外のメディアで名前が挙がることが増えている。スプリントの再建に関する発言はもちろん、個人としてティファニー銀座ビルを320億円で購入したことまで記事になるなど、海外でも同氏の動向に注目が集まっているようだ。
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