小泉純一郎元首相の「脱原発」発言が波紋を広げる中、息子の小泉進次郎内閣府・復興政務官は10月7日、原発問題に関して「国民の間で釈然としない気持ち、なし崩しに(原発依存に)行っていいのかという声が脈々とある気がする」と話し、純一郎元首相に理解を示した。名古屋市の講演で、小泉元首相の「脱原発」発言について質問され、答えた。朝日新聞デジタルなどが報じた。進次郎氏はまた「自民は原発推進政党ではない。自民党が変わるきっかけなんです。変わらなかったらダメですよ」とも述べた。
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進次郎氏は講演の質疑で参加者から「先日、父の純一郎元首相が名古屋で講演しました。ドイツなどを視察して脱原発を認識したと言っていた。『脱原発』についてどう考えますか」と自身の見解を問われた。それに対し、「今、私は安倍政権の一員」とした上で、「日本の将来を考えたときに、日本ってやっぱり変わるときが来たかなと、誰もが思ったと思う」と答えたという。
何か釈然としない気持ちが国民の間で、実は今はまだ景気が回復しそうだから黙っているけども、このままなし崩しにいって本当に良いのか、という声が私は脈々とある気がします。自民党がそれを忘れたら、愛知県で4年前に(衆院選小選挙区で)起きたように、(当選者が)ゼロになりかねない。
それを考えたら、今、話したところで私の言わんとしているような思いはじわじわと(皆さんが)感じているのではないかなと思いますが。
(朝日新聞デジタル 「進次郎氏、父の原発ゼロ発言に理解『自民変わらないと』」 2013/10/7 18:43)
また、進次郎氏は「自民は原発推進政党ではない」と強調。再生可能エネルギー導入促進を掲げた自民党の参院選公約を紹介し、「自民党にとって議論するチャンスであり、党が変わるきっかけになる」と公約実現へ党内議論を呼びかけたという。
自民党が誤解されていると思う部分がある。その一つが自民が原発推進政党であるということ。これは違う。自民は原発推進政党ではない。こないだの参院選公約では、「再生可能エネルギー導入促進に向けて全力を尽くす」と書いた。
これは色んな課題があるんですよ。自民党が議論するチャンス。自民党が変わるきっかけなんです。それができるかどうか。変わらなかったらダメですよ。今回、政権与党になった自民党はラストチャンス。これでダメだったら、自民党は見放される。
(朝日新聞デジタル 「進次郎氏、父の原発ゼロ発言に理解『自民変わらないと』」 2013/10/7 18:43)
ハフィントンポストの記事の中で、進次郎氏が純一郎元首相と同様の発言をしていたことを紹介したが、10月4日、復興政務官に就いて初めて被災地入りした際には、純一郎元首相の「脱原発」発言について「父は父だ。私は政府の一員だ」と強調。原発を推進している政府の方針に従う考えを示していた。進次郎氏の原発に対する考え方について、朝日新聞デジタルでも「原発へのスタンスでも父とは一線を画す」と報じている。
純一郎のように即時ゼロとは考えない。将来的に原発を減らすため、雇用や外交安保の観点から議論を尽くすべきだというのが持論だ。
(朝日新聞デジタル 「(政々流転)小泉進次郎・政務官 父の残像払い、復興の道」2013/10/6)
だが、進次郎氏は10月7日の講演で、脱原発を探る可能性に含みを持たせたという。
小泉進次郎氏は)「2020年夏季五輪の東京開催後も目指す道がある方が夢や希望を持てる。たとえ高いハードルがあっても」と述べ、将来的な脱原発を探る可能性に含みを持たせた。
(MSN産経ニュース「将来的脱原発に含み 小泉進次郎政務官、議論促進呼びかけ 父も『原発ゼロ』」 2013/10/7 20:51)
進次郎氏の父・純一郎元首相は、約1週間前の10月1日、同じ名古屋市で開かれた講演で「核のゴミの処分場のあてもないのに原発を進める方がよほど無責任」などと発言。みんなの党の渡辺喜美代表との会談でも、安倍晋三首相に脱原発のリーダーシップを取るべきだと語るなど、「脱原発」発言を繰り返している。この発言に対し、「冷静に日本を考える人であれば、たいてい行き着く」と小沢一郎氏が評価するなど、各方面で波紋が広がっている。
菅義偉官房長官は10月8日午前の記者会見で、進次郎氏の発言は政府の方針と齟齬がないかと問われ、「(進次郎氏は)政府の一員であるから政府の方針に従うと言っている。全く問題ない」との見解を示した。
進次郎氏の発言について、ネット上でも様々な意見が上がっている。
小泉進次郎政務官、小泉純一郎元首相の発言について、あなたはどのように考えますか。引き続き、ご意見をお寄せ下さい。
※内容を加え、アップデートしました。(2013/10/8 13:27)
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