安倍晋三首相は9月17日の閣議で、機密情報を漏えいした公務員らへの罰則を強化する「特定秘密保護法案」の担当相に、森雅子少子化担当相を充てることを決定した。少子化担当相との兼務となる。政府は10月中旬にも召集される臨時国会に法案を提出して、成立を目指す方針だ。
時事ドットコムでは、森氏を起用した理由について、菅義偉官房長官のコメントを掲載。
「国民の知る権利、取材の自由を十分に尊重する必要がある。弁護士でもある森氏が担当相として適任だと首相が判断した」
森氏も以下のように意欲を示したという。
「国民の知る権利、取材、報道の自由は大切な権利だ。侵害しないよう、しっかりと配慮した法案にしたい」(同上)
法案の正式名称は「特定秘密の保護に関する法律案」。9月17日までパブリックコメントを求めている。この法案は、防衛、外交、外国による諜報活動等の防止、テロ活動の防止の4つの分野が対象。日本の安全保障に著しく支障を与える恐れがあるため、特に隠しておくべき情報を「特定秘密」と指定し、情報を漏らした公務員や、不正な手段で公務員らから秘密を入手した人物を対象に、最高で10年の懲役刑を科すなどとしている。
この法案については、女優の藤原紀香さんがブログで懸念を示したほか、日本ペンクラブも内部告発者を萎縮させ、取材・報道の自由を侵害するとして、法案に反対する意見書をまとめて政府に提出する方針だ。
NHKニュースによると、日本ペンクラブの会長で作家の浅田次郎さんは「今ある法律で十分に対応できるのに、新たな法律をつくれば必ず悪用される危険が生まれる。政府は国会への提出を見送るべきだ」と、話している。
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