中国の動物園で生まれた象の赤ちゃんは、母親に踏み殺されそうになり、飼育員たちによって隔離されたあと、5時間も泣き止まなかった。
チョアンチョアンは今年8月、中国山東省の栄成市にある「Shendiaoshan野生動物公園」で誕生した。最初に母親に踏まれた時、飼育員たちは、偶然の事故であることを望んでいた。ところが、怪我の手当を行ってから2時間後に母親のもとに返すと、母親は再びこの赤ちゃんを襲ったのだ。
「子象はショックのため、気持ちが鎮まるまで5時間も泣き続けた」と飼育員は「Central European News」に対して語っている。「子象は母親から離されたことが耐えられなかったが、その母親は彼を殺そうとしていたのだ」
チョアンチョアンを撮影した写真には、泣きはらした目から涙が流れ落ちているところが写っている。
Shandong TVの報道(文末に動画を掲載)によれば、チョアンチョアンは現在、彼を救出した飼育員に世話をしてもらっているし、元気になってきたという。
母親は食欲がなく、心理的状態が悪かったと考えられている。動物が自らの子を殺してしまう行為は、見物客の多さや、自由に身動きが取れないなどの理由でストレスが募り、動物の持つ「子を守る本能」が阻害されることから生じる場合がある。
PBSの記事によると、象たちは、喜びや怒り、悲しみや同情など非常に豊かな感情表現があることで知られている。遊ぶときは楽しそうだし、甲高い声をあげたり耳をパタパタ動かしたりして互いに挨拶したりする。また、愛する者が死んだときには人間のような悲しみを表し、遺体を触ったり、周りを回ったりして死者を悼むという。死の概念がわかっているとする研究者もいる。
[ Cavan Sieczkowski(English) 日本語版:ガリレオ]