みんなの党の江田憲司前幹事長は9月7日にテレビ東京の番組に出演し、渡辺喜美代表と野党再編をめぐる路線対立を理由に自身への圧力を強めていることに関連し、離党する考えはないと明言した。「結党した一人で、党への愛着は人一倍強い。離党する理由はない」と述べたという。MSN産経ニュースが報じた。
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また時事ドットコムによると、江田氏は野党勢力の結集について「日本維新の会は(共通する政策の)ベースがある。民主党の一部にも考えが一緒の人もいる。自民党に代わる信頼の置ける受け皿をつくっていくことがわれわれの使命だ」と述べ、野党再編に意欲を示したという。
同じ番組に出演していた日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長も「自民党にできない改革がある。できないところをわれわれがやるという期待感を持ってもらうような固まりをつくる必要がある」と語たり、江田氏に同調する姿勢を見せた。
■更迭後初めて党会合に出席した江田氏「政党ブロック構想」で渡辺氏と対立
江田氏がテレビ出演をした前日の6日、みんなの党は野党再編に関し、渡辺代表が提唱する「政党ブロック(連合)構想」について所属の国会議員を集めた勉強会を国会内で開いた。朝日新聞デジタルによると、政党ブロック構想とは、新党ではなく、共通政策を作り、各政党が存続したまま連携するもの。この日の勉強会では北海道大学の吉田徹准教授(欧州比較政治学)が講師となり、「政権交代を目指すなら、非自民の緩やかな連携が不可欠」などと主張した。
MSN産経ニュースによると、同勉強会で渡辺代表は「日本の政界再編は新党方式による失敗の連続だ」と述べ、新たな政界の枠組み作りが必要だと訴えたが、これに対し江田氏は、ブロック構想に疑義を唱え、「政権をとると日々、具体的な問題への決断を迫られる。そのとき緩やかな連合体のブロックが機能するのか。日本の現状に照らして本当にできるのか」と述べたという。
渡辺氏は勉強会後の記者会見で「政党ブロックが出来ないと言っていたら何もできない。それに尽きる」と反論したという。
政党ブロック構想についてはみんなの党以外の野党でも意見が割れている。日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は5日、市役所で記者団に対し、「野党同士が候補者を調整しようと思ったら、1つの政党にならざるを得ない。一番厳しい作業を避け、議員の身分を守るための方策だ」と語り政党ブロック構想について批判した。一方民主党の大畠章宏幹事長は5日の記者会見で「検討に値する。一つの課題と受け止め、対応を検討したい」と前向きな姿勢を示したという。
近年の政党乱立により、先の衆院選と参院選で自民党1強を許してしまった側面もあるが、党内でも対立してしまう党が政策の違う他党と連合を組むことはできるのだろうか。野党再編には難しい課題が立ちはだかっている。
■出番の少ない野党 この秋はこぞって合宿へ
自民党1強時代の到来で、出番が少なくなった野党は今秋こぞって合宿研修を企画している。朝日新聞デジタルによると、民主党は当基盤の強化を目指し、9月中に都道府県連の幹事長を集める。参院会派も9月25日に合宿する。
日本維新の会は10月上旬に行う予定だ。片山虎之介国会議員団政調会長は5日、当会合で「秋の臨時国会に向けて論戦のトレーニングをしておく必要がある」と説明。新人教育に主眼を置く。
みんなの党は10月に浅尾慶一郎幹事長(衆院神奈川4区)の地元で合宿。野党再編に対する認識を一致させ、「結束」をはかる考えだ。
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